特集 夏こそ、インターンシップのススメ

特集 夏こそ、インターンシップのススメ

インターンシップは産業界と接点を持ち、社会のニーズや企業が求める人材像を肌で感じられる貴重な機会。最近では、採用と関わりなくその会社や周辺業界を深く理解することができる、挑戦しごたえのあるプログラムが増えてきた。夏休みは長期インターンシップにもじっくり取り組める時期。研究室とは違った「経験」を得るために、ちょっと、外に出てみよう。リバネスの始まりも学生同士のインターンシップから。本特集では、10年間会社とともにインターンシップを行ってきたリバネスが推薦する、インターンシッププログラムをご紹介したい。

インターンシップは「変化」のチャンス
面白法人カヤック 代表取締役 柳澤 大輔(やなさわだいすけ)さん

面白法人カヤックはウェブ制作やゲーム・アプリ開発などを手掛けるクリエイター集団が集まる企業。鎌倉に本社を構え、オフィスには畳や
漫画が見える。世界中がオフィスになる「旅する支社」や、サイコロを振ってその月の給与の一部を決める「サイコロ給」などユニークな社内制度でも有名だ。自らを「面白法人」と名乗るように、社員が楽しく働く仕組みを持ち、たくさんのアイデアが生まれる環境を整え、ユニークなサービスを次々と生み出してきたカヤックのインターンシップではその新しいアイデアが生まれる環境に四六時中身を置き、創造の瞬間に立ち会えるチャンスだ。代表取締役の柳澤大輔さんにお話を伺った。

変化に強い組織は強い
柳澤さんは今年の新卒採用サイトでの挨拶にカヤックの価値観を表す1つのキーワードとして「変化」を挙げた。「自分が会社を立ち上げた時、どういう人のもとでなら働きたいかな、と考えたとき、『新しいことに常にチャレンジする人』だろう、と思いました。常に自分を変化させようとする人を目指そうと思いました」。特に、ウェブ業界、しかもコンテンツを売りにしているカヤックのような会社のサービスは、5年もすれば人々の嗜好も、技術もどんどん変わっていく。だから「変化」を楽しめる人がカヤックにも向いている、と言う。「自分に変化をもたらすことは自信につながり、自分を好きになれる。そういう人が集まった、変化に強い組織は強い」。変化する組織の中に身を置くことで自分をさらに成長させる。そんな循環が生まれる組織にしたいと考えている。しかし、変化を好むのと、あきっぽいのはちょっと違うと言う。「自動車のハンドルと一緒。まっすぐにハンドルを握っているとだんだん曲がっていってしまう。常に小刻みに動かしていかないと本当にまっすぐには進まない。あれと同じだね」。コツコツと継続的に打ち込むことこそ、プロとして成長につながる。その中で常に考えながら少しずつ変化していくことが理想の変化なのだ。柳澤さん自身は、「あえて嫌いなことからやってみたりして、変化のある選択とない選択があったら、変わる方を選択してきた」という。

インターンシップは課題を見つける場
研究室で自分の研究に打ち込んでいると、常に同じ人と接し、同じ作業の繰り返しになる。付き合う人と環境が固定化されれば、新しい発想も生まれにくくなってくるだろう。理系人材こそ、「変化」に身を置く姿勢が必要だ。その有効な手段となりえるのがインターンシップ。巷にはそのチャンスが溢れているが、ともするとウェブ制作の会社でのインターンシップはプログラミング作業に終始しがちである。カヤックではインターンシップとアルバイトを明確に分けているという。インターン生は、希望すれば好きな会議に出ることができる。カヤックではブレストといって新しいサービスを生み出すための会議を多く設けている。インターン生は、そういった社内のアイデアが生まれる瞬間に多く立ち会い、アイデアを生む人の発想の柔軟性や、形にするまでの考え方を目の当たりにするのだ。その中で、自分がやりたいことを見つけていく。その期間をインターンシップと捉えているのだ。新卒採用の内定者にも、卒業までに一度インターンシップを経験するように勧めている。「こんなことまで見せてもらえるの?というくらい情報をオープンにしてるから、学生には面白いと思いますね」。

カヤックは「人」が見える会社
カヤックが学生に見てもらいたいもう1つの要素が、カヤックの「人」だ。「カヤックが大事にしているのはプロダクトではない。人なんです」。と話す柳澤さん。プログラミングが中心の会社であれば、一日中PCの前に座り、黙々と作業をする姿を思い浮かべるが、カヤックのオフィスは趣が随分と異なる。日本家屋の縁側を意識したという、畳やマットが敷かれた空間で直に座ってPCに向かう光景がしばしば見られ、同じ空間でブレストがどこからともなく始まるのだ。。面白いアイデアは人と人との会話のキャッチボールから生まれる、という考えのもとで、たくさんの交流が生まれるようにする仕掛けの1つだ。海外からも人を採用する。ここ数年で人も、考え方も、ずいぶん多様になった。「多様性は変化ももたらしやすい。いろんなバックグラウンドや考え方がぶつかるけど、それを否定しない。その寛容さが他人への好意や自分自身への寛容さにもつながるので、もっと自分を成長させられる。仕事ができる人と、人としてできる人って同義だと思うんですよ。気配りができる、とか、周囲を見通せるとか。多様な人が混ざり合い、柔軟になることで他人に寛容になり、自分を好きになる。その練習をしている。それが個人や組織の成長につながるんですね」。自分が好き。お互いが好き。そういう関係が社員を多く登場させるウェブサイトからも垣間見られる。新卒採用についてもインターンを必須にしていたり、何回も面接を繰り返したりして、カヤックの「顔」を採用希望者がしっかりと理解できる機会を多く設けている。インターンシップは、そんなカヤックの社員とじっくりと関われる機会でもある。

経験がアイデアの幅を広げる
おもしろいアイデアを常に創造し続けるカヤック。「つくる人を増やす」という理念から、自分でこの会社をつくっていきたい、という志をもって来てくれる人が多い。面白い学生に会うための接点として、学生向けのビジネスコンテストなども開催することがあるが、柳澤さんから見ると接している学生のアイデアは「まだまだ面白くない」のだと言う。「新しいアイデアが生まれるのは既存のものの組み合わせから。まったくゼロから生まれることはないです。経験の幅で組み合わせられるものも変わるから、経験すること、異なる人との交流はやっぱり大事ですね」。まずは「やりたい」という志を探すこと。それを形にするために、経験を積み、どんどんアイデアを生み出せる人に。何か漠然としているけど、面白いことがしたい、という人には、この夏、カヤックのインターンシップがお勧めだ。
(文 環野真理子)

面白法人KAYAC
通年のインターンシップ募集に加え、夏休み向けの短期インターン
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