専門性を武器に、打って出ろ ~ Bring Your Speciality to Intel ~
インテル株式会社 人事部 人事部長 ジェフ・ルピナッチ
インテルは50か国以上に法人を持ち、世界各国にコンピュータ/インターネット通信の要となるCPU、ボード、チップセット、ソフトウェア、ソリューションを販売している。世界にまたがって広範な事業展開しているグローバル企業・インテルから見て、日本はどのように見えるのだろうか。人事部長ジェフ・ルピナッチさんに尋ねた。
日本の魅力を認識してほしい
「中国・インドに比べて、日本はテクノロジーに親しんできた国です。皆が当たり前のようにIT機器を使っている。こんな国は他にない」。ジェフさんが指摘するように、日本は技術先進国だ。ほぼすべての大学生は携帯電話を所持し、インターネットなどの高度な機能を使いこなしている。新しいIT機器が容易に受け入れられ、普及しうる土壌がある。一方で今後インテルの大きな市場となるであろう前述の新興国では、日本で求められている緻密な最新機器ではなく、とにかく丈夫でシンプルな機器であることかもしれない。他国との違いを意識し、相手に合わせた働きかけができることがグローバル人材への一歩である、とジェフさんは指摘する。
世界中で共通の行動規範が行き渡る
世界の情勢を見据えて、次世代のCPU、ソフトウェア、ソリューションの在り方を考えることがインテルでは必要とされている。新しいことを起こすために、プロジェクトは世界中の人材が協力して進め、グローバルな配置転換も日常茶飯事だ。「インテルが世界中の法人の採用で重視しているコンセプトが3つあります。それは、クリエイティビティがあって、革新的な発想ができること。かつ文化的な背景を超えてコミュニケーションができること。そして、リスクをとることを恐れないことです」。インテルは、このコンセプトを世界で共通の基準として採用を行う。採用だけではなく、人材育成についても世界で共通の基準がある。だから中国、インド、日本、アメリカの社員が集まったときでも相手がどう動くかわかるのだ。行動規範が共通していることで、スムーズなチームづくりが可能となっている。
専門性をもとに議論する力
さらにインテルではイノベーションを起こすために大学で培った専門性を重視している。「インテルの技術を覚えるのではなく、新しいやり方を持ち込む人材が必要なのです。そのために軸となる専門性を持つ人を歓迎しています」と言う。せっかく専門性があっても、それをきちんと伝え、議論できる日本人が少ないことが気がかりだ。「言葉の壁は考慮しています。自分の技術を売り込み、巻き込もうとする意思をみせてほしい。それができる人材はグローバルなチームでも活躍できます。学生のうちは、自分の専門分野をできる限り追求すること、そして専門外の人たちに交じって議論をするトレーニングを積むことをおすすめします」。ジェフさんは学生に向けてエールを贈った。(文 篠澤 裕介)