成功求めて我が道をゆく 映画化決定『出稼げば大富豪』の著者に聞く成功の道!?

クロイワ ショウ さん
博士(工学) 文筆家

1979年生まれ。大阪YMCAインターナショナルハイスクール卒業後、近畿大学生物理工学部(生物工学科)を経て、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科に進学。「婚活」システムの研究を行い、それを用いた大学発ベンチャー企業を創業するも、うまく行かず失敗。そんな中、インドネシア・バリ島の資産家「兄貴」と出会い、その成功法則を執筆、出版。以降、事業を整理し、現在、執筆及び講演業。2013年、念願の博士号を取得。

 

「僕は著者です」。まちなかでそんな宣伝白衣を着て闊歩している人を見つけたら、それはきっと彼に違いない。博士号を持った研究者であり、文筆家であり、世界を講演して回る講演者でもある。そんなユニークな経歴を持つのが、書籍『出稼げば大富豪』の著者で、奈良先端科学技術大学院大学で2013年に博士号を取得した、クロイワ ショウさんだ。情報科学の研究者が、バリ島で大富豪と出会い、その教えを本として出版するまでになった。そのきっかけは何だったのだろうか?

お前は向いていない、と言われて

「大金持ちに成りたかったんです」と言うクロイワさん。近畿大学理工学部で生物学を専攻していた学生時代、サイドビジネスや遊びに精を出し、まともな勉強をしていなかった。4年生で改めるも、指導教官から「お前は生物実験に適正がない」と大学院進学を拒まれる。そこで止むを得ず方向転換し、当時興味があった脳機能(意識)の解明につながる人工ニューラルネットワークの研究をするため、情報科学の分野に進んだ。ここでクロイワさんはひとつの挑戦をする。組織に属して給料をもらう自分がイメージできなかった彼は、自分で会社を立ち上げたのだ。彼の商売は、お見合いパーティで座席配置を最適化するソフトの開発から始まった。さらに、男女のプロフィール情報をもとに相性を計算するアルゴリズムの開発を自身の大学院での研究テーマとして掲げた。

兄貴との出会い

珍しいテーマで国際会議の採録がすんなり決まる一方、社長業は軌道に乗らなかった。当時の売上は年間29万円。追い詰められていたとき、知人からバリ島
でのソフトウェア開発の仕事に誘われた。そのスポンサーが丸尾孝俊さんだった。中学卒業後に職を転々とし、バリに渡って不動産開発で富を築いた丸尾さん
は、複数の自宅と広大な敷地を有する資産家で、自分の経験から独自の成功理論を持っていた。そして、「お金持ちになりたい」というクロイワさんを一喝した。「儲かることは人を豊かにすることだ」。乱暴な口調、厳つい風貌ながら、現地の人に信頼され、兄貴と尊敬される本物の億万長者の口から出る言葉は、クロイワさんにとって目から鱗だった。「自分が勝つためには相手にも利益を生む行動に出た方が良い場合があります。これは古くから情報科学の分野でゲーム理論と呼ばれ、多くの研究がされてきました。兄貴の言葉はゲーム理論の知見と一致することが多く、納得がいきやすかった」。深く自分を反省し、兄貴の教えを本にすることを思い立つ。

ひたむきな成功への意欲が花開く

「感動を与えることを常に考える」、「人の働いていないときに働く」。徹夜で兄貴に密着し、聞き出した24の理論をまとめた本は多くの人の共感を得てシリーズ5刊まで出版された。兄貴と交流できるメールマガジンを運営したり、バリ島まで兄貴に会いに行くツアーを旅行会社の企画で開催したりと新しいサービスをつくった。クロイワさん自身にも講演依頼がくるようになり、ついにこのたび、本の映画化も決定した。「先生と呼ばないで。先生は自ら動き何かを実践した人だから」と講演先で言うクロイワさん。兄貴の言葉を世の中に広める活動はひとまず成功した。次は自分が人を豊かにする何かを起こすこと。その勝負はまだまだこれからだ。今日も世界のどこかを、彼は白衣で闊歩している。 (文・環野 真理子)

 

クロイワ・ショウさんの著書:出稼げば大富豪シリーズ KKロングセラーズから発売

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クロイワさん原作の本 映画化決定! 映画「神様はバリにいる」