【実施報告】オンラインセミナー「嗜好品5.0 〜その定義から未来へ〜」の第5回を開催しました
株式会社リバネスと日本たばこ産業株式会社は、昨年に引き続きオンラインセミナー「嗜好品5.0 〜その定義から未来へ〜」を開催しております。
昨年度の4回のセミナーでは、社会文化人類学(第1回)、脳科学(第2回)、社会との関わり(第3回)、次世代の嗜好品(第4回)といった様々な視点から「嗜好品とはなにか」について議論してきました。
第5回は人間の五感に注目し、ソフトロボティクス・触覚テクノロジーの研究者である筑波大学の望山洋氏と、クロスモーダル(感覚間相互作用)を利用した錯覚の研究者である東京大学の伴祐樹氏をお招きして、「五感を刺激するインターフェイス」というテーマで実施しました。
冒頭では志方氏から、昨年度の振り返りとともに五感による刺激が、嗜好品らしい「経験と学習」を促すために重要な要素ではないかという仮説が提示されました。
望山氏からは、ぬか漬けにアクチュエータを仕込んで、ぬか漬けがあたかも生きているかのような挙動を示すDying Robotsという自身の取り組みが紹介されました。脳からの神経支配が多い身体の部位は手の次に口であることなどから、動く食材の嗜好品としての可能性が提示されました。
伴氏からは自身の取り組みとして、飲み物を飲む時に鼻の頭を温めることで食味の心地よさを向上させる飲料カップの設計などが紹介されました。これは、ストレスを感じると末端温度が下がる生理反応を逆手に取って、錯覚を引き起こさせているのです。赤色のシロップがかかったかき氷を見て(たとえイチゴの味でなくても)イチゴ味に感じる、小さい食べ物は満腹感によらずついたくさん食べてしまうなど、経験がある方もいるのではないでしょうか。私達は、複数の感覚器からの情報や過去の経験などを”複合的”に処理し、自らのなかで感覚を形成していると言います。
これを受けて、「普段は意識していないクロスモーダルのパターンがたくさんのではないか。それが次世代の嗜好品を考えるときのヒントになるかもしれない」という新たな気づきが生まれました。
視聴者からもリアルタイムでコメントや質問をいただき、セミナー中の議論を更に深める意見をいただきました。
視聴者からいただいたコメント(一部抜粋)
・痛覚は慣れないかもしれないですが、痛覚が好きな方も一定数いらっしゃるようですので、それはそれである種の嗜好なのだろうか…と思ったりします。
・私は髪の毛をつまむ癖があります。笑 見た目を気にしているのではなく、触覚が気持ちいいんですね。
・楽しいから笑うのでなく笑うから楽しいみたな知見もあり、「今まで因果と思っていたものを逆転させる」のは手法としてアリアリですね!
・あるタイミングでの楽しさ、というのと、習慣化したくなる楽しさ、というのは、同じものでしょうか。前者が必ずしも後者につながるわけではないのかなとも思うのですが。
など
第6回は「『所作』と『こだわり』がもたらす嗜好品の価値」と題して6/25(金)に実施いたします。「所作」や「こだわり」が嗜好品にもたらす効果、新たな嗜好品をデザインするときにどのような視点がヒントになるのか。視聴者のみなさんと一緒に考えてまいりたいと思います。
詳細は以下のリリースをご覧ください。只今お申し込み受付中です。
【聴講者募集】JTオンラインセミナー 第6回「『所作』と『こだわり』がもたらす嗜好品の価値」6/25開催!
【お問い合わせ先】
株式会社リバネス(担当:西村、石尾、金子) [email protected]