ものの設計は職人じゃなくスパコンがやる時代
ナショナルジオグラフィックで面白い記事を読んだ。
自動車に利用される内燃エンジンは実用化から150年が経過した。効率改善の余地は依然として大きいと考えられているが、実現は容易ではない。研究者の間では、2012年後半に予定されている改良版のスーパーコンピューター(スパコン)の誕生により、エンジン革命の道が切り開かれると期待されている。
現在世界一のスピードを誇るスーパーコンピュータは、日本製の京だが、アメリカがこの二倍の速度にあたるスパコン「タイタン」を作っているという。
スピード競争に目が行きがちだが、スーパーコンピュータはとにかく膨大なデータ量を処理する必要のある、シミュレーションに使われるのだ。
筆者の地元には地球シミュレータというスパコンが稼働していたりして、勝手に興味を持っているのだが(笑
このニュースによると、エンジンを最適化するのにスパコンを活用するということだ。燃料は何が良いのか、どうやったら効率的なエンジンに成りうるのかという大きく言えば2つの問題を、様々なパラメータを調整することで最適化していく。
もはや、職人の腕とかそういう問題ではない。アプローチの方法が根本的に違うのだ。
人間が手作業で最適化するというのは、現実的ではない。きちんとシミュレーションプログラムを作り、後はスーパーコンピュータのちから技で成し遂げる。ただ、それによってイノベーションが生まれる可能性があるのだ。
処理速度が向上するだけで、今まで見えなかったものが見えてくる。
世界一じゃなきゃダメなんですか?とは、今や有名な言葉になってしまったが、常に高みを目指さないと、より遠くは見えないんですよね。