ダーウィンが残した謎が解明:社会が進化を担う
進化生物学の開祖ダーウィンの自然選択説は,残す子供の数がより多くなる性質が進化することを予測します。しかしダーウィンは,社会をつくるハチやアリのワーカーにみられる,自分で子を産まず女王のために働くという性質が,自らの子を産まないにもかかわらず,なぜ自然選択により進化できたのかわからない,という疑問を残して世を去りました。この疑問に対して,1964 年に W. D. ハミルトンは,社会をつくると自分で子を産まなくても母親である女王の残す子供の数が増え,母親経由で弟妹に伝わるワーカーの遺伝子量が増えるからだという理論的な説明を与えていますが(Hamilton 則),以来 50 年を経ようとする今も,実際のハチ・アリで証明されたことはありません。
この問題は,ヒトの社会にまで共通する社会システムの進化機構の重要な未解明問題として,長い間検証が待たれていました。
ダーウィン先生、北海道大学がやりましたよ…
今回、北海道大学農学院の長谷川英祐准教授らが明らかにしたのは、ハチがなぜ進化出来たのかという長年の疑問でした。
ダーウィンが残した疑問とは「社会をつくるハチやアリのワーカーにみられる,自分で子を産まず女王のために働くという性質が,自らの子を産まないにもかかわらず,なぜ自然選択により進化できたのかわからない」というもの。
ダーウィンと言えば進化論です。進化論でダーウィンは
生物がもつ性質は、同種であっても個体間に違いがあり、そのうちの一部は親から子に伝えられたものである。
と言っています。本来であれば、ワーカーも子を生むものなはずです。それが、自らは子を産まずに、嬢王蜂が産む子の世話をするのです。ふしぎ。。。
これに対して、理論的な説明が成されたのが1964年
1964 年に W. D. ハミルトンは,社会をつくると自分で子を産まなくても母親である女王の残す子供の数が増え,母親経由で弟妹に伝わるワーカーの遺伝子量が増えるからだという理論的な説明を与えていますが(Hamilton 則),以来 50 年を経ようとする今も,実際のハチ・アリで証明されたことはありません。
理論は随分前からあるのですが、これが解明されていなかったんですね。
今回実験的に検証されたこの理論はこういったものでした
社会を作っておくと、たとえ自分が子を産まなかったとしても、それが女王が生む子の生存率を上げるので、結果として多くの子が育てられるということになるのだそうです。
なんと、このワーカーと言われるメスがいるのといないのでは、子の生存率が9倍も違うのだそうです。
こういった性質が、どうやって取得されたのかがわかりませんが、進化し、絶滅しなかった生き物というのは、その生きる知恵を得とくしているんですね。人間は脳みそが発達しすぎて、割り切った生き方ができなくなっていますが、社会を作るということがどういう効率化に寄与しているのかについて、わかると良いのかもしれません。
先生の座右の銘が素敵です→「退かぬ、媚びぬ、省みぬ」北斗の拳!!
長谷川 英祐さん | 「わたし」の研究者図鑑
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長谷川 英祐准教授とはこんな人