キュウリと酢の「化学反応」
野菜エンスとは、サブウェイがお送りする、サイエンスで野菜を楽しむコーナー。サブウェイでおなじみのあの野菜、この野菜。普段何気なく食べている野菜について、もう少し知ってみませんか?
サラダや漬物,酢の物となって私たちの食卓でよく見かけるキュウリは,夏野菜の王様ともいえる存在です。その成分の90%以上は水分であり,汗をたくさんかいてしまう夏の時期の水分補給にはぴったり。パリッとした歯ごたえも魅力的ですよね。
サンドイッチやハンバーガーの中にこっそり入っているキュウリのピクルスは,酢などの調味料に漬けてつくります。このピクルスをよく見てみると,生のときの鮮やかな緑色とは異なり,少し茶色かかっていますよね。これは,キュウリの緑色を構成する色素「クロロフィル」が,酢に漬かることで,「フェオフィチン」という褐色の色素へ変化するためです。クロロフィルの中心原子であるマグネシウムが,酢の中にある酢酸分子が持つ2つの水素原子と置き換わる,という化学反応が,色の変化として現れてくるのです。
さらに,酢に漬けることにより,キュウリに含まれる「アスコルビナーゼ」という酵素の働きが抑えられます。アスコルビナーゼは,野菜に含まれるビタミンCを酸化させてしまうやっかいな存在です。しかし,酢のような酸性の液体に入れると,アスコルビナーゼの構造は変化してしまい,ビタミンCを壊すことができなくなります。つまり,ピクルスは味だけでなく栄養面においても,他の野菜たちと喧嘩しないですむというわけなのです。
夏の暑い昼下がり,キュウリと酢との「化学反応」に思いを馳せつつ,ピクルスを楽しんでみませんか。
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さらに,酢に漬けることにより,キュウリに含まれる「アスコルビナーゼ」という酵素の働きが抑えられます。アスコルビナーゼは,野菜に含まれるビタミンCを酸化させてしまうやっかいな存在です。しかし,酢のような …