カーボンナノケージ 全く新しい炭素ナノ分子の登場

カーボンナノケージ 全く新しい炭素ナノ分子の登場

カーボンナノケージ 名古屋大学

名古屋大学のリリースによると、全く新しい炭素ナノ分子の合成に成功したとのこと。思わずアップル風に画像を作っちゃいましたが、プレスリリースがそう思わせる体裁になっていたからなのですが。

名古屋大学の伊丹健一郎教授たちが合成したのは、炭素原子120個と水素原子78個で作られたかご状の炭素ナノ分子。

特徴はとにかく構造が美しい!

それ以外にも特徴があるみたいです。白色の固体でほとんどの有機溶媒によく溶けるとか、光を効果的に吸収するとか、強い青色蛍光をもつとか。

元々伊丹教授たちは、2009年にカーボンナノリングを開発しており、これらを理想的に接合するための部品としても機能するみたい。

カーボンナノチューブとその部分構造

カーボンナノチューブとその部分構造

 

カーボンナノリングは直線型カーボンナノチューブの最短部分骨格であり、太さや側面構造を制御した純正カーボンナノチューブの完全化学合成に向けた理想的なビルディングブロックである。

しかも

ベンゼン 20 個からなるかご状分子「カーボンナノケージ」の合成に成功した。カーボンナノケージはそれ自体が非常にユニークな光物性や構造的特徴を有し、有機 EL、有機トランジスタ、各種光機能材料への応用や、内部のナノ空間を利用したゲスト光センサーなどへの展開が可能である。さらに、エレクトロニクス分野において非常に注目を集める次世代材料である分岐型カーボンナノチューブの精密合成へ向けた大きな一歩を踏み出した。これらの産業界における期待は極めて大きく、今回の全く新しい炭素ナノ分子の登場は各方面に大きな波及効果をもたらすだろう。

化学分野で今後面白い展開が期待できそうです。分子レベルで部品をビルドするという、そんな時代。面白いですね。

[Itami Organic Chemistry Laboratory, Nagoya University]