“アイデア”を“カタチ”にする会社 株式会社サンプラテック × 若手女性研究者
実験室を見回すと、様々な場面で使われているプラスチック製品。軽く、丈夫で、扱いやすく、その上価格が抑えられる、そんな特徴を活かした製品で研究者を支えているのが株式会社サンプラテックだ。最近では、既存の製品を製造販売するだけでなく、研究者のニーズを掘り起こし、 より快適な研究ライフを送るための提案も手がけている。今回は、若手女性研究者5名とともに、新たに生まれたアイデア商品の品評会とヒアリングを行った。
ニーズから生まれた洗瓶
森 洗浄瓶って1日に何度か使いますが、回数が増えると握力を使うので手が疲れるという意見から材質を柔らかくしてみたのが、この「やわらか洗瓶ソフティー」です。一般的な材質のものと水を入れた状態で比較してみてください。
笹井 確かに。ちょっと固いなーとは思ってましたが、諦めてました。
稲本 おー!柔らかい。
原田 ホントだ。これは楽ですね!
中島 普通のと比べたらどんな感じ?
原田 あ…硬い。もう普通の洗瓶使えなくなっちゃいますね(笑)。たくさん使う時には、握力なくなっちゃいますし、柔らかいのはいいですね。
森 しかもこの洗瓶、ノズルがジャバラになっているのでどんな角度でも使えるし、最後まで薬液を無駄にしないんです。
一同 おー!
森 他にもですね、口をシャワー状にした、こんなものも開発中です。
稲本 これ便利!1Lのメスシリンダーとか大きな器具を洗うのにいいですよね。いつもの洗瓶でチョロチョロ洗うの大変だったので。
住吉 でもこれ口の部分から汚れが入っちゃいませんか?
森 そういう意見に応えて、使わない時にはキャップをつけておけるようにしています。どんな製品でも視点を変えることで新しい製品ができてしまうんです。
研究者こそ開発者
原田 冷蔵庫や冷凍庫の中も整理しにくいですよね。小袋に入れておくんですけどバラバラになっちゃうし。
稲本 使いやすく、かつ上手に整理しておくのは難しいよね。
中島 そうなんです。ベーシックなサイズのケースだけだと、隙間ができちゃってうまくいかないし。
住吉 今まで、きれいな冷凍庫のラボをみたことがないかも…。
中島 遠沈管に試薬類を入れて実験机においてありますけど、結構スペース取るんですよね。斜めに差し込めるラックとかあるといいな。
森 斜めにおけるラック、早速開発に取りかかりましょう。現場を知っていて、いろんな気づきを持っている研究者のみなさんこそ、本当の開発者だと思います。
原田 メーカーの方とこういう話をしたのは初めてなので、普段使う製品の作られ方を知ることができました。
森 正樹 株式会社サンプラテック企画開発部
株式会社サンプラテック http://www.sanplatec.co.jp/
特注工房
参加者
中嶋香織 横浜市立大学 生命ナノシステム研究科
稲本晶子 職業訓練校環境分析科
原田理紗子 お茶の水女子大学 理学部生物学科
笹井裕里 法政大学 生命科学部生命機能学科
住吉美奈子 筑波大学大学院 生命環境科学研究科