リバネス、カネカ製研究用ツールD-QUICKを教育用キットに導入、「PCRキットwith D-QUICK」を発売

リバネス、カネカ製研究用ツールD-QUICKを教育用キットに導入、「PCRキットwith D-QUICK」を発売

株式会社リバネスは、ピペットチップ型PCR増幅判定ツール「D-QUICK」を導入することで、電気泳動およびDNA染色の行程を省いた「PCR実験キット with D-QUICK」を株式会社カネカと共同開発しました。本キットは、研究現場で扱われる機器・試薬を教育現場に導入するとともに、教育現場での利用に最適化されたPCR実験キットです。

左:DNA増幅なし 右:DNA増幅あり

D-QUICKを使用してDNA増幅を確認する様子

D-QUICK(キットでお届けする製品になります)

このたび株式会社リバネス(本社:東京都新宿区 代表取締役COO:高橋修一郎、以下リバネス)は、株式会社カネカとの共同開発によりPCRによるDNA鑑定を従来の半分の時間と費用で体験できる実験キットの商品化に成功し、「PCRキット with D-QUICK(以下、本キット)」として販売を開始しました。これまで、実施時間や機器購入費用などが障壁となっていた多くの学校への導入を目指します。

PCR法は、生命科学実験に必須な研究手法として、大学等研究機関で広く実施されているだけでなく、高校教科書や大学入試問題でも取り上げられるほど一般的な手法となりました。また、学習の面からも、中学校・高等学校の理科教育現場においてデオキシリボ核酸(DNA)やタンパク質の基礎を学ぶ機会として高いニーズがあります。しかしながら、従来のキットおよびプログラムでは、試薬の分注や調製で1時間、PCR(35サイクル)で150分、アガロースゲル電気泳動とDNA染色および結果の考察で90分と合計5時間もの時間が必要で、所要時間の長さと教える内容の多さから授業内で扱うことが困難でした。また、サーマルサイクラー、電気泳動槽、イルミネーターなど高額な機器を多数使用することも導入の大きな課題となっていました。

本キットでは、教育現場が求める「短時間」「低価格」「濃い学習体験」という3つのニーズを満たし、授業での導入を含め教育現場での利用に最適化されたPCR実験キットです。

(1)短時間:

増幅効率の早い酵素を導入することで、PCRにかかる時間を短縮。また電気泳動およびDNAの染色行程を省くことで、全体にかかる時間を4割短縮することができます。1コマ目でPCRの仕組みを学びながらサーマルサイクラーに試薬をセット、翌日の2コマ目で解析結果を確認するとともに結果の考察を行うことができます。

(2)低価格:

ピペットチップ型PCR増幅判定ツールD-QUICKによる増幅判定を行うことで、電気泳動槽およびDNA検出用のイルミネーターなど高額な機器が不要となり、実験体験時に必要となる機材費が最大半額程度になります(20名に対して新たに実験機器を購入する場合で比較)。

(3)濃い学習体験:

電気泳動や染色などの行程を省くことで、メインであるPCRに絞った学習をすることができます。そのため、技術の歴史や仕組み、最近の活用事例など、PCRに特化したカリキュラムが可能となり、より濃い学習体験を提供することができます。

 引き続き、リバネスでは先端科学教育の実験機器の商品化を続けて参ります。

■  本キット仕様

購入サイトはこちら

商品名:PCRキット with D-QUICK

価格:30,000円(税込)

内容物:テンプレートDNA(110 ul)、PCRプライマーF(220 ul)、PCRプライマーR(220 ul)、マスターミックスA(429 ul)、マスターミックスB(11 ul)、D.W.(110 ul)、D-QUICK(20 本)、PCRチューブ(20 本)、マイクロチューブ(50 本)、取扱い説明書(1冊)

 ■リバネスの科学実験キットについて

リバネスでは、年間100回を超える実験教室の実施を通して蓄えた科学実験のノウハウを活かし、先端バイオ実験キット「Feel so Bio」シリーズ(以下、本シリーズ)の開発・販売を行っています。さらに、本シリーズを導入した学校への若手研究者による知識サポート「バイオレスキュー」や本シリーズを用いた理科教員向け無料研修の実施を通じて、理科教育現場への先端科学導入を推進しています。

 ■ピペットチップ型PCR増幅判定ツール「D-QUICK」について

核酸に結合する色素を利用することで,二本鎖DNAの有無をピペッティングするだけで目視確認できるPCR増幅判定ツールです。数回のピペッティングのみで判定することができるため、従来の電気泳動や染色の操作を省くことができるため、大幅な時間短縮につながります。判定後のサンプルは、そのまま制限酵素処理やPCRなどの実験操作に用いることが可能です。

■株式会社リバネスについて

2002年6月設立。資本金4,600万円。代表取締役COO 高橋修一郎。スタッフ数44名。教育開発事業、人材開発事業、研究開発事業、地域開発事業、メディア開発事業、戦略開発事業の6つの事業を展開している。(https://lne.st/)

 

■本件に関するお問い合わせ先

〒160-0004 東京都新宿区四谷2-11-6 VARCA四谷10階

株式会社リバネス 教育開発事業部 担当:野村真未

TEL:03-6277-8041 FAX:03-6277-8042 Email:[email protected]