人の血液から、早く簡単に 体内時刻を調べる方法を開発 理化学研究所

人の血液から、早く簡単に 体内時刻を調べる方法を開発 理化学研究所

夏休み、夜更かしばっかりしていたあなた!学校 が始まって朝起きられなかったり、夜は眠れなかったりしませんか?

それは、あなたの体内時計がず れてしまったことが原因です。
これが大きくずれると 病気になりやすくなることも…
そこで、8月28日、理化学研究所より自分の体内時刻は今何時なのかを簡単に調べる 方法が発表されました!
体内時計は、日中明るく、 夜暗いといった太陽の光などの周期的な刺激が、鼻の奥にある視交叉上核という細胞の集まりに伝わり、生命活動を調整するホルモンが分泌されます。
このホルモンの量の増減を、2~3時間おきに調べることで 体内時刻を知ることができます。しかし、この方法だと丸1日かけて2~3時間おきに採血をせねばならず、患者の大きな負担となっていました。この負担を軽くするために今回発表されたのが、体内時計の分子時刻表です。

ヒト体内時刻推定の結果

ヒト体内時刻推定の結果
採血時刻(黒矢印)、既存法で血中コルチゾール量の連続測定により求めた体内時刻(青矢印)、分子時刻表法で推定した体内時刻(赤矢印)とし、6人の被験者それぞれの体内時刻を24時間の時計上で表した。

まず、液体クロマトグラフィーとメタボローム解析と呼ばれる方法を使って、体内で周期的に量 が変化するアミノ酸やホルモンの量を、網羅的に50種類以上も時間ごとに調べて、物質量と体内時計の関 連を示す表を作りました。
これにより採血の結果得られた成分表を、分子時刻表と照らし合わせることで、 今、体内時計は何時なのかが分かるようになり、何度も採血する必要がなくなりました。
今回、強制的に体内時計をずらした6人の被験者から血液を少量とり、その中の成分量を分子時刻表に照らしあわせた結果、 従来の方法とほぼ同じ結果を得ることができ時刻表が正しく使えることが分かりました。
体内時刻を知ることで、一番よく効くタイミングで薬を飲むという時間治療にも使うことができると期待が集まっています。

図1 コンスタントルーチン下の被験者(イメージ図)

図1 コンスタントルーチン下の被験者(イメージ図)
コンスタントルーチン下の被験者は、外部の環境から遮断され、均一環境下の部屋で、図のような体勢で一定時間過ごす。

 

でも、体内時刻を知る方法が開発されたといっても、まずは時計をずらさないように習慣的に生活することが大事!
昨日も夜更かししたそこの君!
君の体内時計は狂っていないかな? 

参照:理化学研究所 ヒトの血液から簡単に「体内時刻」を調べる手法を確立