『味覚の不思議』〜味を感じる仕組みを知ろう!〜

『味覚の不思議』〜味を感じる仕組みを知ろう!〜

2010年度に総合科学技術会議から「国民との科学技術・対話の推進」が国の指針として出され、研究活動の内容や成果を社会・国民に対してわかりやすく説明する場を設けることが研究者自身に求められるようになりました。その社会情勢を受け、リバネスではサイエンスカフェの実施サポートをはじめ、様々な形でのアウトリーチ活動サポートを行なっております。今回は、都内の高校で実施された東京大学の三坂巧氏による出張サイエンスカフェコーディネートを例に、サポート内容をご紹介いたします。

misaka
東京大学大学院農学生命科学研究科
三坂 巧 准教授
1998年 東京大学大学院農学生命科学研究科修了 博士(農学)
1998年 日清食品株式会社入社
2005年 東京大学大学院農学生命科学研究科講師
2008年〜 現職
2010年 先端研究助成基金助成金(最先端・次世代研究開発支援プログラム)に採択研究課題「味物質受容の相乗・相殺効果を利用した食品デザインの新展開」

 

実施に向けて

希望されるターゲットや研究内容により、最適なアウトリーチの形を相談しながら考えていきます。昨年度、一般の大人向けのサイエンスカフェを実施した三坂氏は、今年度は次世代に「農学部」や「食品科学」のおもしろさを伝えたいと考え、高校での 出張サイエンスカフェを行うことにしました。また、文理選択や希望学部の定まっていない高校 1、2年生を対象といたしました。

 

サポート内容の特徴

伝えたい内容に合わせ、適切な高校をコーディネートします。科学情報の取得に積極的な教員がいる学校から募集をすることで、お互いのニーズが噛み合った状態でスタートを切ることができます。実施当日の体験やワークのサポート、記録用写真の撮影、さらにアンケート作成・集計も行い、報告書を作成しお渡しいたします。

 

実施日

[1日目]2012年9月29日(土)13:30-16:00
[2日目]2012年10月6日(土)13:30-16:00

 

[実施場所]

豊島岡女子学園中学校・高等学校

 

[参加者]

[1日目]27名(高1:25名、高3:2名)
[2日目]30名(高2:20名、高3:10名)

 

内容

体験 ミラクリンによる味覚の変化講
義農 学部の紹介/食品科学研究とは/味覚の最新研究/ミラクリン体験の解説 座談会 少人数グループに分かれて、大学生・院生と参加生徒との交流

サイエンスカフェは初めてという高校生に向け、まずは酸っぱい物が甘く感じるという驚きのミラクリン体験から始めました。
その後、三坂氏の経歴や体験したエピソードを交えながらの導入、味覚研究の基礎から最新研究の紹介、そして最後に体験の種明かし(解説)をしていただきました。
残りの30分は、三坂氏の研究室に所属する大学生・院生の方々にご協力いただき(各日3名ずつ)、大学生活や卒業後の進路についてお話しする時間を取りました。
今回の出張サイエンスカフェでは、ターゲットとした高校生に食品科学への興味を喚起することができ、農学部や企業での食品開発にも興味を持つ生徒たちが多かったと言えます。
また少人数制サイエンスカフェという形式で行ったことにより、講義の途中で質問や感想を述べることが可能となり、全体として積極性を持った会となりました。

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参加者のアンケートより

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