「AGRI GARAGE」創刊に寄せて

超高齢化社会を迎え、生産人口の減少が進行する日本は、農業・漁業の担い手不足や低い水準の自給率に伴う食の安全性の確保や食料安全保障という問題に直面しています。また、地域の産業は農林水産業が主体であるため、都市部を除く多くの地域では、街の活力低下に頭を悩ませています。

 

企業や地域が抱える課題解決、新産業の創出には、産学連携が重要な役割を果たすことは疑いようがありません。農林水産・食品産業分野では、事業性の有無の判断に当たり、技術面、知財面などの多様な知識と経験が必要とされ、時には長期的にわたる忍耐強い取り組みが必要です。しかしながら、他分野に比べて産学連携の動きは低調であり、他産業、他国と比べても規模が小さな連携に留まるといわれています。

 

その一方、多くの研究者が産学連携に取り組み、素晴らしい成果をあげていらっしゃることも事実であり、また国家的にも推進する取り組みが数多くあります。

 

そこで、従来の農学関連学問を横断するかたちで、新産業の芽となるような最新の事例や技術動向、取り組みをお届けするとともに、こんな技術や知財があり事業化したい、あるいはこんな研究者と連携をしたい、といったような産官学連携のシーズ・ニーズを提供して、研究・開発を加速させるための専門情報誌『AGRI GARAGE』を創刊することとしました。農林水産分野の研究や事業に取り組む関係者の皆様に情報をお届けし、少しでも研究と事業の発展に寄与できればと考えております。

 

産声をあげたばかりですが、本誌の存在が1つでも多くの有益な連携を生み出し、農林水産業や地域産業が力を取り戻すきっかけを提供できることを願ってやみません。本誌の成長のために多くのご意見や叱咤激励をいただけますと幸いでございます。

 

株式会社リバネス

地域開発事業部　　塚田  周平、   熊谷  諭

 

 

 

「AGRI GARAGE 01号」詳細はこちらから。