「病は気から」は本当だった!? 北一郎
マスクもしたし、うがいも完璧!でも、元気に冬を過ごすためには、それだけでは準備不足。
「ストレス」をためると元気がなくなってしまうこと、ありますよね。
からだの元気に、「気持ち」はどう関わってくるのでしょうか?
ストレスはからだのサイレン
暑ければ汗をかき、大きな音にびっくりして心臓がドキドキする。
この反応は外の環境の刺激に応じて身を守るために起こります。
それに加え、「心配ごとが頭から離れない」とか「人と話していやな思いをする」というような「気持ち」も、この反応に深く関わっています。
心とからだはどうつながっているのでしょうか?
こころのストレスで体が弱る!?
「気持ち」を感じるのは大脳皮質の中にある「前頭葉」です。
人間は、他の生き物に比べて、この「前頭葉」が発達しています。
ここは共感する、予想するといった働きやそれに伴う感情を感じ取ります。
ですので、今、目の前にない刺激に対しても、「怖い」とか「嫌だ」という気持ちを持ってしまいます。
それをストレス刺激と認識し、からだの反応が継続します。
それが体調に変化をきたすのです。
ストレスからくる最も代表的なからだの反応が、副腎皮質から出る「コルチゾール」の分泌です。
コルチゾールは本来体内の血糖を上げ、危険に対していち早く動けるエネルギーをつくるように司令する物質です。
しかし、コルチゾールがずっと出続けていると、免疫に関わっているリンパ節が萎縮したり、からだをウイルスから守る抗体をつくる働きが弱くなったり、サイトカインが働かなくなるので、風邪をひきやすくなったりするのです。
運動と睡眠は、やっぱり元気のもと
感情のストレスはどうやったらリセットできるのでしょうか。
環境や行動を変えることはストレスによるホルモン活動を調節する、といわれています。
運動は免疫細胞をつくる成長ホルモンの分泌も増やす方向に働くのでおすすめ。
睡眠も同じく成長ホルモンを増やします。寒い冬こそ、しっかり運動して、睡眠をとって、ストレスに負けないからだをつくりましょう!
取材協力首都大学東京人間健康科学研究科北一郎さん