技術評価で海外メーカーの信頼を創る商社
株式会社ベリタス
研究室を見渡せば、国内外の様々なメーカーの研究用機材・試薬に囲まれていることに気がつくはずだ。ただ、何百・何千という機材・試薬メーカーが展開している中で、その情報を研究者個人で集積、評価するのはまず不可能だ。この不便を解消し、研究を活性化させることを目指す集団がある。株式会社ベリタス、その名の由来はラテン語の「真理」。
技術商社という独自のモデル
「ベリタスは、海外の研究用機材・試薬メーカーの日本法人と、一般的な商社の中間的組織。技術商社という言葉がふさわしいですね」。同社代表取締役の飯田氏は自社のビジネスをそう表現する。 海外メーカーが日本で製品を販売する方法は主に二つある。一つは日本法人を設立すること。専任の社員が自社製品の拡販を行う。もう一つは日本にある既存の商社と手を組むこと。商社が既に持つ販路に製品を乗せ、販売拡大を狙うのだ。
これら二つの方法にはそれぞれに長所と短所がある。日本法人の設立、維持には多大な費用が必要であるが、自社製品の拡販のためだけに動く専任の社員を置くことができる。既存の商社と手を組む場合には、費用は少なくて済むが、商社に対して製品を販売すること以上の協力を求められない場合が多く、日本市場の特徴やより良い製品を開発するための情報収集に苦労するのだ。 ベリタスはこれら二つの方法の穴を埋める独自のビジネスモデルを展開し、独特な存在感を放っている。
徹底したフィードバックが与える価値
ベリタス社が扱う商品は、免疫学、血液学、微生物学、ヒト組織適合性抗原、ならびに水環境対策分野における先端的な研究用機材と試薬である。同社は海外の諸メーカーから、ある点において非常に高い評価を得ている。それは高い技術評価・マーケティング能力だ。
ベリタス社には一般的な商社には存在しないラボ設備が充実しており、海外メーカー製品の取り扱いを決める際や、製品へのフィードバックのために徹底的に技術・製品の評価を行う。規模の小さな海外のメーカーにはマーケティングに割ける人員がほとんどおらず、顧客のニーズを正確に把握することは非常に困難となる。そこで、ベリタスのように商社として顧客との接点を持ちながら、技術・製品を評価し、時には製品仕様の変更を求めるほどの徹底したフィードバックを返してくる企業は、海外メーカーの大きな助けとなるのだ。
理系人材が活躍できる二つの理由
技術・製品評価とマーケティング、営業活動、更に国内顧客の製品に対する評価をメーカーに伝えるなどの業務を担う16名の技術系社員は、その大半が理系人材。修士号や博士号の取得者、薬剤師などにより構成される。このことには二つの意味がある。一つは社員の豊富な研究経験が、高い技術評価力に繋がること。そしてもう一つは、元々買い手だった人材が売り手側に回るということだ。自らが研究者、つまり研究用機材や試薬の買い手としての経験があるからこそ、ユーザーのニーズを正確に把握し、痒いところに手が届く売り手となることができる。研究経験のある人材こそが同社のビジネスモデルの中で輝きを発するのだ。 -文明の発展に寄与できるか-これが社員全員が共通して持つ判断基準。ひとりひとりが自ら考え、判断し、仕事を進めていく。事務所はあたかも個人事業主の集合体のような雰囲気を醸す。自らのパフォーマンスが会社と文明を発展させているという実感を、社員全員が感じているに違いない。 グローバルなビジネスの世界で自らの研究経験を生かし、研究の活性化と文明の発展に寄与したいのならば、同社の門を叩いて欲しい。