事業家を志す者、集まれ!
株式会社 青山製作所
53兆円超。全国製品出荷額の約2割を占め、日本一を誇る名古屋圏は、世界のものづくり中心地のひとつだ。ここには世界を牽引する企業群、そうした大企業の先端技術を担保する幾多の中小企業が集積する。名古屋市中心部から約20㎞程に位置する三重県桑名市にある青山製作所は、地の利と実績を礎に若手社員を中心に新たなステージへと歩みはじめた。
ニーズを事業に育てる
「仕事ができる優秀なヤツとは、ぼんやりとした想いを形にして相手に喜びを提供できる人間だ」。創業70年を誇り、工業用機器製造から専門人材の育成・派遣まで、時代や顧客のニーズに応えて事業を拡大してきた青山社長はさらりと言う。これまで青山製作所では、「要望に応える」ということを徹底的に追究してきた。社長自ら現場に出向き、工作機器のカスタマイズ、アフターフォローなど、小さな要望にも耳を傾け、対応する。その徹底ぶりにより、直接取引のある顧客に留まらず、顧客の知り合い、地元の人々から数多くの要望が青山製作所に集まってくる。この中に、思いがけない事業の種が潜んでいることもある。機器メーカーのニーズに応える形で始まった専門人材派遣事業は、そのひとつだ。何よりも顧客と派遣人材の満足度を一番に考えるスタイルへの信頼は厚く、主力事業へと成長してきた。「全ての要望に応えられるわけではない。けれども、やるとなったら誠実に取り組む」。いい加減なことはしないというものづくり精神が、青山製作所の基本に据えられている。
飛躍のチャンス到来
2006年2月から、グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ構想がスタートした。世界に開かれた産業圏を構築するために、名古屋市周辺
100㎞圏内に、国内外の企業集積を促すとともに、圏内の企業や行政、大学・研究機関の国際的産業交流を促進する活動が始まった。IT技術の進展による個別の情報交流活性化に加え、国内外、そして名古屋圏内の企業との連携がますます濃密になることが予想される現状を、青山製作所は飛躍のチャンスと捉えている。「青山に声をかければ、何とかなるかもしれない。そういうふうに思ってもらえる人材が集う組織は強い」。豊かな人脈と柔軟な対応で事業を拡大してきた青山製作所の根底にある確かな信念だ。
また、既存の事業に捉われない姿勢を貫いてきたこれまでの実績が、同社の中に新たな機運を生み出している。少子高齢化による労働人口の減少やアジア諸国の台頭により囁かれる既存産業や組織体制に対する悲壮感を傍目に、青山製作所では専務や若手社員を中心に新たな事業への意欲が満ち溢れる。「誰も正解を持っていない今だからこそ、『これを形にしたい』という想いを持った人間と、
それに挑戦することが大切だと考えています。変化に強い柔軟な組織ですから、ここであれば挑戦できると思います。一緒に新しい事業を創り出す仲間をこれからもっと増やしていきたい」。実績に基づいた会社への信頼感が、挑戦者を後押しする。