植物だってまぶしすぎるのは 苦手なんです
強い光に負けないしくみを解明
「食べるの大好き!」みんなご飯は毎日食べますか!?
私は毎日3食しっかり食べて、健康的に過ごしています。
でもどんなにおいしいご飯でも、食べ過ぎると苦しくなりますよね…。
植物は根から水分や養分を摂るだけでなく、光合成のために光が必要です。
しかし、光が強すぎると害になることがあります。
3月15日、基礎生物学研究所の得津助教や、フランス原子力庁生物科学技術研究所などの研究グループは、クラミドモナスという藻類を用い、強すぎる光から身を守るしくみの一部を明らかにしました。
光合成は、クロロフィルを含んだアンテナで光を集め、そのエネルギーをPSⅡというタンパク質複合体に渡すことが必要です。
しかし、光が強すぎて渡されるエネルギーが多すぎると、PSⅡが対応しきれずに壊れてしまいます。
得津助教らは今回、強い光が当たると、アンテナがPSⅡから切り離されることを発見しました。
切り離されることで、アンテナが集めた光エネルギーはPSⅡに渡されず、PSⅡが壊れることを防いでいたのです。
この反応はステート遷移反応といい、これまでは夕日や水中での光など、色の変化に対応するための反応と考えられていました。
そのしくみが光合成に重要な器官を守るため、決定的な働きをしていることが明らかになったのです。
また、強い光に晒されて4時間ほど経つと、qEクエンチングと呼ばれる別の反応も始まり、ステート遷移反応とうまく組み合わさってPSⅡを守っているということも分かりました。
今回の研究結果をもとに、様々な植物が強い光へどのように対応しているのかをさらに明らかにしていくことで、日差しの強い砂漠などでの農業や、バイオ燃料としての藻類の利用が進むかもしれませんね!(上原 野亜)
参考:http://www.nibb.ac.jp/press/2013/03/15.html
PDF版:植物だってまぶしすぎるのは 苦手なんです
著者より
今回は光合成でしたが、植物、藻類は他にも私たちが知らないすごい力を秘めているでしょう!
侮れないですね(^^)