第3のウェアでパラダイムシフトを起こせ

情報技術の進化によって、私たちは手元の端末を通して世界中の情報と瞬時につながり、様々な作業は自動化されるようになった。成熟に向かっているハードウエア、ソフトウエアをはじめとした情報技術はこれからどこへ向かうべきか。その答えを導く人材を育成する新たな挑戦が大阪大学で始まった。

新たな概念で次なるフェーズへ

便利な生活を支えるため、高度な技術と様々な工夫により実現したシステムの全体像は、今や誰にも理解できないほど複雑化され、動作に必要な消費エネルギーは増大し続けている。そのような中、高まっているのが、「ヒューマンウェア」の必要性だ。既存の技術に新たな視点を組み込むことで、スマートフォンが携帯電話の在り方を変えられたように、これまでスペックの進化に向けられていた研究開発の方向性を、ヒューマンウェアの概念を取り入れることで大きく変え、人間や環境に優しいシステム作りを目指す。

p8_oosakadaigaku【アタリ後程高解像度のデータおくります】

パラダイムシフトは融合研究から

ヒューマンウェアの構築には、情報科学や工学などはもちろん、生命科学や認知・脳科学まで多様な分野を融合させることが必要となる。大阪大学は2013年度より、情報科学研究科、生命機能研究科、基礎工学研究科の連携により「ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム」をスタートさせた。自らの専門性を軸に、他分野の知見を取り入れた議論を促進することで、少しずつ、でも確実に、融合研究に至るまでのきっかけをつかむことを目指す。ヒューマンウェアという新たな概念を持った人材が、これまでの環境への負荷が右肩上がりの成長に対して起こすパラダイムシフトに期待が高まる。

プログラム ピックアップ! 価値創造ライティング(博士一貫課程1年目)

「研究開発における企業と大学の違い」「企業がイノベーションを起こすために必要な視点」などのテーマを設定し、実際に複数企業へのインタビューを行う。得られた情報を基に、独自の視点から記事をまとめるトレーニングプログラム。融合研究を促進する上で重要となる「相手から引き出した情報に、独自の視点(価値)を付加して、メンバーにシェアをする」という視点を得ることが目的だ。

ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム
URL http://www.humanware.osaka-u.ac.jp/
Facebook https://www.facebook.com/Humanwareosaka