【研究活性化計画】機能とデザインを兼ね備えた超純水製造装置PURELAB flexの登場
研究室を立ち上げるときにまず必要な設備は何かと考えたとき、真っ先に浮かぶもののひとつに、超純水製造装置を挙げる方は多いのではないだろうか。実験の規模によっては、日に使う超純水の量が数L〜10数L程度で済む場合もある。こうした場合、純水製造装置と超純水製造装置が一体になったコンパクトな製品があれ
ば、水場のスペースの節約につながる。エルガ・ラボウォーターから発売されたPURELAB flexは省スペースの超純水製造装置の定番として定着しつつある。
超純水のニューフェイス
エルガ・ラボウォーターの母体であるヴェオリア・ウォーターの歴史は、1853年にナポレオン三世が設立した都市部の水道システムを運営するジェネラル・デゾー社にまでさかのぼる。日本法人の立ち上げは2002年とまだ最近のことだ。エルガ・ラボウォーター自体は、精製水製造では75年以上の歴史を持つ。2009年に日本法人が立ち上がり、大学や民間企業の分析関係の研究室、研究所に導入されている。日本国内での純水・超純水製造装置の平均販売台数4,000〜5,000台/年。2012年度のエルガ・ラボウォーターの販売台数が約400台と、設立4 年目にして認知度が高まってきていることがうかがえる。世界に目を向けると、ヨーロッパでのシェアが25%、全世界のシェアが20%と世界的に認められているブランドだ。
オールインワンの超純水製造装置PURELAB flex
同社から発売されているラインナップのうち、純水製造装置と超純水製造装置を一体にし、コンパクトにすることで設置の煩雑さをなくしたものがPURELAB flex 3とPURELAB flex 4だ。前者は水道直結型、後者はタンクにRO水あるいは蒸留水を供給するかたちをとっている。後者の場合、近くに水道がなくても超純水を製造できるため、水場の確保が難しいところですぐに超純水を作りたいという場合には向いているだろう。そして、何よりも重要な水質だが、どちらも比抵抗18.2MΩ・cm、TOCが5ppb以下、エンドトキシンが0.001EU/mL未満、バクテリア数が1CFU/mL未満と超純水としての品質を実現している。ライフテクノロジーズ社のIon PGM™ シーケンサに用いる超純水として同社が公認し、同社サイトでIon PGM™ シーケンサのアクセ
サリとして取り扱っていることからも、製品の質の高さが評価されていることがわかる。
ユーザーフレンドリーな製品の作り込み
PURELAB flexは過去2年以内に製品化されたデザインを対象とし、デザインの革新性、機能性、人間工学、エコロジー、耐久性など9つの基準から審査されるレッドドット・デザイン賞を2011年に獲得している以外にも、複数のデザイン関連の賞を獲得している。写真を見てわかるようにシンプルなデザインが映える(図1)。採水は附属の電動ピペットで行う。採水ボタンがついており、これで採水のオン・オフができるだけでなく、リアルタイムでモニタリングしている水質がピペットのディスプレイに表示される。さらに、採水量を50mL〜最大7Lの間で設定することもできるので、採り過ぎを防ぐこともできる(図2)。また、フットスイッチが標準で装備されているので、足での操作も可能だ。
消耗品は交換が容易になっている。この点はありがたい。高性能超純水カートリッジは装置前面から容易に交換ができ、カートリッジ交換後10 分で採水できる。また、TOC低減用のUVランプも本体正面についており、交換が容易になっている。これだけのものがそろって100万円以下であることはコストパフォーマンスを考えたときにうれしいところだ。
すでに山口大学でIon PGM™ シーケンサ用に導入されるなど、国内のバイオ系の研究者の中にも浸透しつつある。またエルガ製超純水システムはMS分析のマーケットリーダーであるエービー・サイエックスのラボにも導入されるなど、微量分析分野においても導入されつつある。新しい超純水製造装置の選択肢に使い勝手と品質にこだわったPURELABflexを導入してみてはいかがだろうか。
●ヴェオリア・ウォーター・ソリューション & テクノロジー エルガ・ラボウォーター
Veolia Water Solutions & Technologies (UK) Ltd. ELGA LabWater Japan
[所在地]東京都港区海岸 3-20-20 ヨコソーレンボータワー 11F
[URL] http://www.elgalabwater.com
[E-mail] [email protected]