若者が海外留学をしないシンプルな理由
学生が海外留学をしなくなっている(若者の留学離れ)と言われて久しいが、その原因は語学力の問題だったり、消極性の高まりだったりと、色々な事を言われてきたと思うのだが、何が原因だったかというとシンプルな理由だ。
海外留学者数のピークは2004年。
そこから減少が進んでいるというのだが、当然少子化による学生絶対数の減少も要因の一つではある。
しかし、人口減少こそが悪なのではなかったのだ。
Benesseが2013年4月に発表した「グローバル人材育成に有効な海外留学、若者が希望しない理由とは?」によると
ピーク時の2004(平成16)年と2010(同22)年を比べると、海外留学者は30%も減少しているのに対して、大学進学率が上昇したため大学生(大学院を含む)の数は逆に増えています。このことからも、海外の大学に留学しようという若者が減っていることは間違いないでしょう。
では、留学を敬遠するその理由はなんなのだというと、「お金」の問題だという。
一方、注目すべきデータがあります。東京都は2012(平成24)年度から、都立高校生らを対象に海外留学の支援を開始しました。150人の定員に対して4倍以上の642人の応募があり、担当者を驚かせたのです。1年間で300~400万円ほどかかる留学費用が、25万~85万円ほどで済むため、応募が増えたとみられています。つまり、経済的理由で最初から海外留学を諦めている若者が少なくないということです。
昨今では、大学入学時に東京大学を目指すのではなく、それこそアメリカのMITを目指すだのと、国外の大学を睨んだ進学についても言及するようになってきている。しかし、そこに横たわっている金銭問題。
想定定員の4倍を超える申込数が集まったという事で、希望者はそれなりにいるという事がわかっている。
若者は、留学しなくなってきたのではなく、現実問題として留学できないというのが大きな要因なのかもしれない。