博士の底力 (テンプスタッフ株式会社)

ノボザイムズジャパン株式会社 准研究員 博士(農学) 明星裕美さん(右)  博士(農学) 倉方悠馬さん(左)

実験がうまく行かないときがあるように、
キャリアがうまく行かないときだってある。
基礎研究を続けて、新しい発見をし、論文を書く人生…
それだけじゃない気もする。
キャリアの選択は正解なんてないはずだから、自分の道は自分が決める。
それが「博士の底力」。
進路に対して自分なりの答えを出した今回のナビゲーターは……

准研究員という新設ポジションで入社されたお二人。就職はゴールではない。むしろスタートラインに立った今、何を思うのか。

―まず、皆さんの業務を教えてください。
明星:私は探索チームに配属されています。主にカビを使って、遺伝子改変技術を活用した新規機能開発を行っています。

倉方:私は探索チームで発見した酵素の精製条件を検討しています。より高効率、高純度に精製できる条件を探す仕事です。

─みなさんはどのような経緯でこちらに就業されたのですか。

明星:私はアカデミア志向が強く、学部の時から博士課程に進学しようと考えていました。学位を取得した後は約5年間、ポスドクとして就業。プロジェクトの終了とともに転職活動を行い、こちらを紹介されて就業しました。最初はテクニシャンでしたので、研究者が使う培地の準備をする業務などを行っていましたが、徐々に業務の幅と責任が増えて、准研究員として入社するに至りました。

倉方:私はもともと民間企業で就業したいと考えていましたので、在学中から研究職の就職活動を行っていました。大学のインターンシップ制度を活用しましたが、就業にいたらず。そんなとき、テンプスタッフさんにご紹介を頂き、テクニシャンという形ではあるけれど、現職に就くことを決めたのです。学生時の経験を評価していただき、昇格して准研究になり、より主体的に業務を行うようになりました。

─キャリアに関して悩んだことがあったら教えてください。

明星:ポスドク中に結婚したこともあり、このまま研究職として続けるべきなのか、家庭を優先すべきなのかについてかなり悩みました。家庭を優先すると決めたにもかかわらず、やってきたことを活かせて、やりがいのある仕事に就きたい…と、この悩みのスパイラルに陥り、テンプさんによく相談に乗ってもらいましたね。

倉方:学生時代は研究者としてやっていけると自信を持っていたのですが、就職活動が難航したときには研究職は諦めた方がいいのかと悩みました。学位を取得後、研究室の先生からテンプさんをご紹介いただき、キャリアについて相談をしていました。働くところがないかもしれない、という恐怖を感じたことは今でもはっきりと覚えています。

─ご自身の博士の底力って何だと思いますか。

明星:私は、慎重かつネガティブに考えがちな性格です(笑)。特に女性はライフイベントに不確定要素が多く、家庭との両立を考えて諦めざるを得ないことも多いと思います。私のキャリアを振り返ってみると、確かに「消去法」でキャリアを決めてきたかもしれません。しかし、キャリアには満足しています。置かれた環境でベストを尽くす、そしてその環境に満足できるというのも「博士の底力」かな?とも思っています。

倉方:「とりあえずやってみる」という行動力があること、が博士の底力ですかね。研究だって思っていた通りにならないことばかりでしたし…(笑)。ならば、キャリアに関しても興味が持ててチャンスがあるならまずはやってみよう、と思いました。就職活動でも卑屈にならずに柔軟に対応できたことが、今の業務に就けた最大の要因だと思っています。しかしながら、私のキャリアはまだまだ発展途中です。現在は外資系の企業で就業しているため、結果の報告をするだけでも語学力やプレゼンテーション能力が必要とされます。まだまだ足りません。このような新しいスキルに関し、習得スピードが速いというのも、もう一つの「博士の底力」かもしれません。

テンプスタッフでは、研究者の就労支援を行っています。
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