MITメデイアラボ流子育てからみる海外キャリアの意味
MITメディアラボ教授夫妻の最先端子育て
という記事がでていたので紹介する。私自身別にまだ子どもを持っているわけではないのだけど、子育て論って案外自分のキャリアを考えるときに何を伸ばしていくべきか、のヒントになったりするので結構「子育て」の話は読んだりする。
近年の子育てにおいて関心の高いテーマが「グローバル教育」である。小さいころから留学させたり英語を教えたりする親はとても多いと聞く。
上記の記事はそんな人に参考となるべく、MITメデイアラボ副所長の石井裕さんとジャーナリストの菅谷明子さん夫妻のグローバルな子育てについて取材した記事なのである。
記事を読むと、ご夫婦の子どもたちへの深い観察、考察のもとに、ビジョンを持って子育てをしていることが非常によくわかる。
①異国にくらしてはじめて、日本の良さにきづいる。
アメリカは、大人と子どもの分担が明確で、料理や掃除なども日本ほどさせません。日本のように、暮らしを営むのに必要なことを、子どもの頃から学べるのは、とても貴重に思えます
②多様なキャリアパスを選べるように、小さい時期からタネをまいている。
アメリカはたいへんな競争社会なので、『ここがダメでもほかがある』と、多様な道筋を作ることで、自分を追い込まないようにできればと……
③メデイアラボに子どもたちを(ときにはクラスの先生やお友達も)出入りさせて、お父さんを含めた研究者の姿を見せていたりもしている。
そこで議論したり、研究作品を関係者に披露する父親と学生たちの姿を見せることで、『新しいものを生み出すことには価値があり、世界をよりよい場にする夢に向かっている』ことを、2人に伝えたい
こんな環境に置かれた子どもたちが羨ましい限りだが、日本語がたどたどしくならないよう、苦労もしているという。
このような経験は、必ずしも海外だからできる、というより、価値観も違い、独り立ちを求められ、ストレスもある世の中に日々向かっている子どもに対して、周りがどのように声をかけるか、ということが影響をしているように見える。でもできな人が多い。なかなか上記のような環境を日本でつくることは難しいだろう。
石井教授はこのようにも話す。
日本の若い人々を違う文化の中に放り込むと、彼らは初めて世界の多様性に気づきます。そしてそれまで均質的な社会で育ってきた自分の適応力のなさ、柔軟性のなさ、論理性のなさ、思考の閉塞感にハッとさせられます。
つまりは日本は「できてなくてもなんとかなる」環境だから、なのだろう。今はまだ。だから気づかない、実践できないことも多いということか。
先ほどの石井教授の言葉にはっとした方は一度海外にでられてみてはいかがだろうか。