研究者と集中できる環境。イノベーションをうむための10分の思考

研究者と集中できる環境。イノベーションをうむための10分の思考
まとまった集中時間を確保するために

Rebuild: 32: How We Work Remotely (Naoya Ito)でのremote workの話で「どう自己管理して集中できる環境を作るか」みたいな話が少しあったので,今の自分の環境をまとめておく.ぼくは割り込みや誘惑にとても(!!!)弱いので,色々と工夫した結果それなりにうまく回るようになった.

インターネットが当たり前になり、無線LANが当たり前になり、スマートフォンが普及したことで、常時情報が流入してくる時代が到来してしまっていると思います。これは研究者に限ったわけではないのだけれど、イノベーションを産む為に必要な事は脳みその集中と解放であると思いますので、兎にも角にも集中する時間というのは必要になってきます。

それをどうやって生み出すの?というのは大事な事ですね。生まれた時からネットワークに繋がっているような、今の子供たちを考えるとアプローチは少し違うのかもしれませんが、過渡期にいるような我々は、ベストプラクティスを試すことによってより良い環境を得ることが出来ると思います。ここでは、いくつかの集中方法をまとめてみましょう。

ネットワークに繋がったPCで仕事をしている時

これは、先に引用したブログからも見られることなのですが、如何にして余計な情報に脳を持って行かれないかが重要になってきます。

  • 余計なウェブサーフィン
  • アクティブな通知による思考の遮断

この2つは集中力を断ち切るのに十分な威力を持っています。特に余計なウェブサーフィンについては、ネット上に必要な情報を探しに行っている時に発生する事が多く、無意識的に意識を持って行かれます。挙句の果てに、当初行おうと思っていた事を忘れる始末。これを避けるためにも、気になる情報についてはブックマークや、後で読むのような機能を使って保持しておくと割りきってしまう事は重要でしょう。もし、まだ設定していない人は、PocketやInstapaper、Evernoteでも良いでしょう。はてなブックマークのようなものでも構いません。ブラウザからブックマークレットを呼び出して1発保存ができるようにしておくことで、思考の遮断を抑えることが出来るようになると思います。

アクティブな通知による思考の遮断を回避するには

これについては、Macを使っている人はGrowlという通知機能があり、何かの通知があるとウィンドウがポップアップして出てきます。こういうのは全部オフにするのは大きいと思います。

加えて、自分の話をすると、携帯のメッセージ関連アプリの通知機能を全てOFFにしています。そんなに困らないですよ。仕事で必要な事は全部GoogleHangoutか電話でやって来るようにしてあるのでその通知のみONになっています。Hangoutの場合は、何もかも受け付けるという必要もなく、緊急を要する会話意外はミュートしておくことが出来るので便利です。

LINEなんかは仕事には関わらないようにしていますし。

この辺の、自分にとってのプライオリティ付けはしっかりとしておいたほうが良いでしょう。全てを一つのアプリで受け付けるというのは、優先順位をつけづらいと思うのであまりオススメ出来ないと思います。

どのベクトルに集中するのか

一流の研究者の集中力(2)超シングルタスクのすすめ

しかし無戦略に何かに夢中になっているわけではないらしく、会話をしているとよく “End to End Plan” を考えなさいという言葉が出てきます。End to End というのは、最初から最後までの見通しのことで、「いま自分は何をしているのか」というしっかりとしたビジョンがあって、それがあってはじめてシングルタスクの夢中の仕事ぶりが効果をもつようです。

合わせてこちら

一流の研究者とのお別れ:10分で人生を変える方法

「mehori さん、『今が楽しい』というのは、別に『今楽をしている』ということではありません(漢字は同じですが)。未来について真剣に思い描いて、それに向かって今を楽しみながら必死でやる。この二つはなんら矛盾しないのです」

「先生の言われる、End to End plan ですよね」

「そうです!でも今の人は忙しすぎる。10分でさえ立ち止まって長期計画を立てたりしない。『ああ、10分くらいじゃ長期計画を立てられない』と、こう言うんです。でも忙しいときほど、10分でもいいから長期的なことを考えてごらんなさい。頭がはっきりしますし、無駄なことをしなくてすみますからやりがいが出てきます!その方が楽しいでしょう!」

「10分で人生について考えられますか!?」

「10分も考えない人よりはよっぽど考えられます!」

集中せよといっても、ただ一つの事をやれば良いという訳ではありません。そのことだけを考える時間を持てるようになっても、それだけではきっと上手くいかない。集中する時間を持つという先には、それを活かす為の思考法が必要です。

頭を使えという事に集約すると思うのですが、目の前にタスクが山積みになっていると1分が惜しくなってしまったりします。

短期的な事で頭をいっぱいにするよりは、長期的に見てベネフィットをうむことが出来るような思考法を選ぶ。

身近な事を整理するのと同時に、将来今より良い環境にいるために、確実な打ち手を取る為の思考時間を取るのです。10分でも、0よりは全然良いのです。

著者所感

「無戦略に何かに夢中になる」と言うのは、新しい視点でした。

集中することが必要であるという事は多く語られる事なのですが、無戦略であっては徒労に終わる可能性が高まるだけ。

せっかく時間を有効活用しようという意志があるのだから、戦略的なアプローチをしたほうがベターである。

当たり前のような事なのですが、重要なエッセンスだと感じます。