創業期のベンチャー企業を資金面で支援

創業期のベンチャー企業を資金面で支援

 

株式会社日本政策金融公庫 国民生活事業本部 創業支援部 ベンチャー支援グループ
グループリーダー 永沼 智佳さん

世界を変えるどんなに優れた技術があっても、過去の決算書がなければ民間の金融機関から借入れできることは少ない。しかし、事業が軌道に乗るまでに時間がかかるベンチャー企業でも借入れできる機関がある。年間約 2 万社の創業企業に対して融資する政策金融機関、日本政策金融公庫の国民生活事業だ。

政策金融機関だから、無担保・無保証で創業をサポート

一般的に、民間の金融機関は、事業実績をもとに「ちゃんとお金が返ってくる」という信用がなければ融資できないため、ビジネスモデルの青写真と夢をプレゼンするだけでは、お断りされてしまう。ものづくりをはじめとする研究開発型のベンチャーにとっては、一層そのハードルは高い。しかし、政府 100%出資の政策金融機関としてベンチャー向けの資金支援を行う日本政策金融公庫は違う。全国 152 支店に「創業
サポートデスク」を設置し、全国 6 か所には休日でも創業に関して相談できる「ビジネスサポートプラザ」を設置しているほか、担保も保証人もなしで資金を借りることができる融資制度がラインナップされている。ベンチャー企業にとって頼りになる金融機関だ。

おススメの融資制度ラインナップ

その 1 つが、「資本性ローン」だ。技術・ノウハウ等の新規性といった要件をクリアすれば、毎月の支払いは利息のみでよく、7 年以上も元金返済がない(期限一括償還)。また、融資利率は業績に応じて毎年見直しがあるが、赤字の期間なら金利も 0.9%と低利ですむため、創業期に売上が立ちにくいベンチャー企業に適した制度となっている。さらに、融資金でありながら金融検査上は「資本」と見なされるため、民間の金融機関から追加で融資を受けやすくなるということも、大きなメリットだ。実際に、25 年度の利用企業 101 社のうち、約 1 割が大学や産業技術総合研究所などの研究機関からスピンアウトしたベンチャー企業なのだという。顔ぶれをみれば、超小型人工衛星の株式会社アクセルスペースや、顔認識技術のサイトセンシング株式会社、牽引式車椅子補助装置の株式会社 JINRIKI と、分野も幅広い。事業開始直後から売上が立つのであれば、「新創業融資制度」や「中小企業経営力強化資金」も無担保・無保証で利用できておススメだ。

創業資金を得るためのポイント

永沼さんに尋ねてみると、創業資金を得るためのポイントは、自分を納得させてくれるまで丁寧にコミュニケーションしてくれる、経営者の「パッション」なのだという。「一生懸命説明してくださったり、熱い想いをぶつけていただいているうちに、『よし、じゃあ頑張って応援してみよう』という気持ちで上司に掛け合ったりするものなんですよ」と、担当者の胸の内を語ってくれた。もちろん、技術の優位性や事業計画の実現可能性を論理的かつ具体的に説明することも必要だが、パッションがなければ人も金も動くことはない。エビデンスのない状況であればなおさらだ。熱いハートで日本政策金融公庫の門を叩けば、夢を着実に実現するためのサポートがきっと受けられるだろう。