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昆虫の食生活を、内側から支える微生物 徳田 岳

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昆虫の食生活を、内側から支える微生物

私たち人間には,炭水化物やタンパク質,脂質などさまざまな栄養素が必要ですね。「好き嫌いせずに食べなさい」と言われるのは,さまざまな食材をバランスよく食べることによって,さまざまな栄養素をとる必要があるからです。しかし,昆虫たちの場合,生息環境の違いにより食べるものが限られていたり,食べるものが少ない飢餓状態になったりすることにより,必要な栄養素すべてをエサからとることが難しい状況にあります。そのため,昆虫のなかには,自分のからだの中に微生物や細菌をすまわせ,彼らがつくる栄養素を摂取しているものがいます。

たとえば,山の中で腐った木材を食べて生きているオオゴキブリは,自分の細胞の中に「ブラタバクテリウム」という微生物を棲まわせています。彼らは,オオゴキブリのからだの中でも,脂肪を貯める器官「脂肪体」の中にある「細菌胞」という特殊な細胞の中に棲んでいて,アミノ酸やビタミンなどの栄養をオオゴキブリに提供しているのです。

昆虫と微生物の関係を研究することでわかるのは,昆虫の生態だけではありません。昆虫の体内で微生物がつくっている酵素を調べることで害虫防除の新しい方法を開発したり,腸内微生物のDNA配列を調べることで昆虫の進化の過程を明らかにできたり,昆虫に関する研究での重要なポイントになっているのです。

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取材協力:琉球大学 熱帯生物圏研究センター 准教授 徳田 岳 さん

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