テックベンチャーの初期製品(MVP)が小さくならない理由 #リーンスタートアップ

テックベンチャーの初期製品(MVP)が小さくならない理由 #リーンスタートアップ

リーンスタートアップの考え方を「テックベンチャーに安易に適用しないほうがいいのでは」という記事を書いてわかったこと

いくつかコメントいただきまして、「MVPのサイズが小さいアプリ系でも仮説があることは大事」「ピーター・ティールはリーンスタートアップを誤解している」というようなコメントもいただきました。私はとても考えるきっかけになりまして、嬉しかったです。

アプリ系とは「MVP(最低限の実行可能な製品)」がちがうだろ!ということをよくよく考えてみました。今回の目次です!

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MVPの適正サイズはどう考えたらいいのか?

前の記事を通じてものづくりはMVPがそもそも小さくない!ということを僕は言いたかったようです。

リーンスタートアップをおさらいしておくと、MVPの定義が Minimum Viable Product(最低限で、実行可能な、製品)です。この場合、「構築―測定―学習」サイクルが回せる、最低条件をクリアしていること、となります。

例のサイクル。これを回しはじめられる「最低条件の製品」ってどんなのだろうか?

例のサイクル。これを回しはじめられる「最低条件の製品」ってどんなのだろうか?

そこで、ものづくりにおいては「思考実験段階」はMVPか?という疑問がわきます。それはアイデアであってProduct(製品)ではないのではないでしょうか。

本当に動いて、所定の効果を発揮するのがMVPと呼べるのでは。回らない風車、発電しない発電機はたぶんMVPじゃない。。と思いませんか。私は思いません。

そこで、想定した機能、購入者が「欲しい」と思うために必要な最低条件をクリアしたのがMVP、と仮においてみることにしましょう。

もちろん、アイデア段階でのイテレーション、顧客開発を否定するものではないです。それは私もよくやります。ただ、MVPという点では「ものづくり系はたしかにハードルが高い」という思いがあります。あなたはどう思いますか。

 

思考実験から、プレゼンや妄想のスペック表、3Dプリントのモックを経て、本当に動く試作品に至る

思考実験から、プレゼンや妄想のスペック表、3Dプリントのモックを経て、本当に動く試作品に至る

アイデアから、本当に動く初期製品までは、本当に長〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い道のりが待っていると思います。

MVPまでの技術ハードルが高い理由

じゃあ、その道のりってなんなのさ?という部分を考えてみました。最低条件の製品に至るまでハードルが高い理由を3つ思いつきました。他にもあったら教えてください!

規制をクリアする必要がある

CEマークとか技適とか

製造する機械がない

新工法を伴うとか、独自のスペック値があるとか、いろいろな理由で工作機械すらない場合もあると思われます。よって直ぐには製造できないなんていうこともあるでしょう。時間がかかります。

耐久性への要求が高い

3Dプリンタで出力できるものが、本当に”製品”として使えるか?という疑問もわきます。ちょっとやそっとで壊れないものである必要があります。まだ3Dプリンタ出力物が製品として通用するケースは多くないし、コストも見合わないと思われます。

どれもこれも「やっかいだなあ」と思うことばっかりです。あなたはどう思いますか?

アイデアだけあるけど、初期検証までのお金ほしいよ

と、上記のような課題をクリアするために試作開発を繰り返したくなります。起業家には、へこたれないぐらいパッションのある人ばっかりです(願望)。しかし、設計や材料、製造、組立などお金がめっちゃ必要です。しかし、残念ながらアイデアだけしかないベンチャーにお金を出す仕組みがそこまで十分にあるわけではないと思います。

仮に「どこでもドア」の実用化につながる研究成果がでたなら、クラウドファンディングも期待できるでしょう。「どこでもドア」はわかりやすいです。みんなの夢です。

しかし、「どこでもドア」ほどわかりやすくないし、そもそもB2B向けの製品だったらどうしたらいいでしょうか。ファンドは収益性が見えないものに投資しにくいですし、事業会社のファンドもR&Dに専念するベンチャーにお金を出しにくいのが現状ではないでしょうか。

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  1. リーンスタートアップはテックベンチャーに有効なのでしょうか?
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