日本式の教育をアジアへーリバネス藤田大悟がベトナムダナンの教育現場を視察・実験をしてきました
リバネスでは子どもたちに「理科の王国」や「リバネススクール」(小学生)、「サイエンスキャッスル」「サイエンスキャッスル研究費」(中高生)等を通じて、自ら課題を設定して「研究」することがこれからの時代を生き抜く重要な力だと信じ、活動を広げています。今回、ベトナムダナン市が日本式の最新の教育を取り入れ、アジアで活躍できる人材を育てようと動き出しました。そこで、起業家教育を国内外で展開されているセルフウィング社のベトナム法人と連携し、ベトナムでのリバネスの科学教育の導入をめざし、ベトナム中央最大の都市であるダナン市で現地視察を行いました。
2016年3月6日に行われた、セルスウィングベトナムの開所式では、今年4月からベトナムの首相になられるフック首相始め、人民委員会、投資委員会など多くの関係者が参加され、期待の大きさを感じました。
写真:藤田は左側から数えて9番目の後ろ(中心のフック次期首相左上)
ベトナムの教育事業
義務教育は小学校5年、中学校4年です。都市部を除いて地方は小学校5年で終え仕事をする子どもも少なくありません。政府による公開の就学率は小学校98%、中学校88%です。高校は3年間あり、42%の生徒が通います。管轄は社会主義ということもあり、教育訓練省が一括し、教科書や教材は厳しく管理されています。政府の許可を得ないと、教材も利用できない制約があります。学期は夏の暑い時期は休み(クーラーがまだない)で、9月〜1月、1月の2期制。〜5月ダナン市にあるいくつかの学校に訪問した結果を藤田がレポートいたします。参考:外務省Web
ダナン大学
ダナン大学はダナン市唯一の国家大学。工科大学、経済大学、外国語大学、師範大学などの専科の大学の集合体。東京大学、東京工業大学、筑波大学を始め多くの大学と共同研究を行っています。工科大学から発展した大学のため、工学的研究・教育が強い大学です。学生達は日本企業への就職に強い関心があり、大学としても日本語の勉強、インターンシップなどを充実させています。総長とは日本語でお話させていただきました。
ファン チュ チン 高校
ファン・チュ・チン高校はダナン市一の進学校。30クラス×3学年で3766名在籍しているマンモス校。教員は230名。各学年に日本語クラスが2クラスずつあります。勉強だけでなく、礼儀、社会貢献、ビジネスの勉強を高1から行っています。毎年数名の日本の高校生と交換留学をしています。授業では、就職を見越した大学入学のための座学で精一杯。授業での実習はないようです。科学部等の部活動も特にありません。進路は親が決めるべきという考えが強く、キャリア教育などは特に行われていなませんでした。進学率は90%と平均に比べて非常に高いです。
写真:右から2番めが藤田、3番目が校長先生
タイソン中学校
タイソン中学校はダナン市内の中心の中学校。生徒は409名と少規模ではありますが、敷地が小さく、午前の部と午後で分かれています。そのため、学校の授業は座学に限り、実験などの実習は一切行われていません。そのため、今回実験デモを行った時は、生徒や先生から非常に興味をもっていただきました。日本語学科があり、日本語の先生が2名います。ベトナムの教員は非常に尊敬されており、多くが女性で、正装であるアオザイを纏って授業をおこなっていました。日本との交換留学もあり、説明会ではドラえもんの歌で歓迎され、代表生徒による日本語のプレゼンテーションはとても素晴らしかったのが印象的でした。なお、子どもたちがつけているバンダナは過去の苦しいベトナム戦争を忘れないためにつけているようです。歴史の上に今の彼らの挑戦があります。
写真:後ろ側の右から7番目が藤田
チャン コオ バン小学校
1905年創設のフランス統治時代からある歴史ある学校。60クラスあり1643名在籍しています。小学校は勉強に加えて社会貢献活動に重きを置いてます。ダナン市内で最も優秀な学校で、過去東南アジアのロボティクスの試合で表彰されたこともあります。お昼寝の時間がありました。
当日は簡単な実験プログラムも披露しました。子どもたちが目をキラキラさせながら実験を体験していたのが印象的でした。日本で培った実験教室はベトナムの子どもたちも釘づけに出来ることを確信しました。
今後、リバネスでは科学教育を軸にベトナムの教育界への貢献をし、彼らがベトナムの、アジアの課題解決を担ってくれる若者たちを育てていきたいと考えています。
ベトナムダナン市
北のハノイ、南のホーチミンとの間に位置するベトナム中央で一番の商業都市です。人口は100万人程度。近隣にフユやホンハイなどの世界遺産があり治安も良いことから、リゾート開発や様々な施設が増えてきています。