アシステンツァ~生徒に寄り添う教育 脇村ユキヱ

アシステンツァ~生徒に寄り添う教育 脇村ユキヱ

星美学園中学校高等学校は、赤羽の小高い丘の上にある女子校だ。校内に入るとまずマリア像が目に入る。教会に足を踏み入れたような少し心が落ち着く環境だ。学校長先生も最近の東京のミッションスクールでは珍しく、シスターが担っている。

 

個人を伸ばす予防教育は「愛情」が極意

ミッションスクールの中でも星美学園では特に「アシステンツァ」という関わり方を大切にしている。この言葉はイタリア語で「助ける」といった意味がある。この手法は、学校のスローガンである「共に喜び、共に生きる」というフレーズが表すように常に生徒と共にいて、生徒の自立を助けるという教育方針につながっている。例えば、星美学園の教育法を特徴付ける教育ツールがある。それは、生徒が入学時に手にするノートだ。ノートには日々の勉強のはかどり具合や夏休みの振り返りなど交換日記の様に先生が常に生徒とコミュニケーションが計れるような仕組みになっている。また、中間テストの取り組み方や高校に入ると進路指導に関する情報も取り揃えており、生徒が安心して学校生活を送るうえで必要な方向付けをノートを通して提供している。学校長の脇村先生は、「先生自身が元気で晴れやか。それがまず大切です。先生は積極的に生徒の中に入り、とことん関わります。」と、ノートだけでなく先生が常に生徒と共にいる様子を語ってくれた。星美学園では、アシステンツァという考えのもと生徒達一人一人との信頼ある関わりを大切にしている。自分自身が大切な存在だと認識することや、自身の潜在能力を伸ばすことができると信じている。自身の能力を伸ばす事が出来た者は、自身だけにとどまらず、他の人のためにも動けるようになり、最終的には社会貢献ができる人材へと成長する。学校創立者である聖ヨハネ・ボスコ神父が提唱し世界94 ヵ国に広がっている、この「予防教育」という教育法を星美学園では忠実に実践している。

 

適材適所で生徒の活躍の場を広げる

予防教育法を元に「アシステンツァ」という関わりを育んだ生徒は、シェアードリーダーとして活躍していく。これは、各自が自分の持っているスキルを発揮し、得意分野でリーダーシップを発揮することだ。シェアードリーダーとしての活躍の場は学校内だけでなく、学校外でも発揮されるという。例えば、高一で行われる海外研修では訪問先の姉妹校との交流を通して、普段学校で見せないリーダーシップを発揮することがあるという。自分自身を肯定して、相手との違いを受け入れ、お互いを活かし合う予防教育は、物事を成し遂げる上で必要とされる自分がリーダーの時は相手を巻き込み、他人がリーダーのときは共感し巻き込まれる力を養う最適の教育法なのではないだろうか。

【学校情報】
星美学園中学校・高等学校
〒115-0053 東京都北区 赤羽台4丁目2−14
TEL: 03-3906-0054
website: http://www.jsh.seibi.ac.jp/

 

 

 

 

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【取材ご依頼について】
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リバネス 国際開発事業部 [email protected]  担当:前田

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グローバルリーダー育成プログラムの企画方法、課題研究の組み立て方、海外研修コーディネート、
英語プレゼンテーション研修など、テーマは多岐に渡ります。ご興味がある方は、下記までご連絡をお願いいたします。

リバネス 国際開発事業部 e-mail: [email protected]  (担当: 前田・前川)
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