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生徒の心の奥底に眠る、探究心のスイッチを押す 上野 勝敏

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東京都立富士高校・附属中学校(以下、富士高校)脚注1は、中野富士見町にある都立の中高一貫校。富士高校は、6年間生徒に向き合えるという利点を活かして、「生徒の奥底に眠る探究心のスイッチを押す」ための挑戦を行なっている。

真のリーダーには、「考える力」が必要不可欠

富士高校が掲げる至上命題は、国際社会のリーダーを育成することだ。真のリーダーになるためには、チームをまとめあげるマネージメント力だけでなく、得られた成果を分析し新たな仮説を立て、チャレンジをしていくことが求められる。その基礎にあたるのが、筋道を立ててロジカルに考える力だと上野先生は言う。そして、その力は理数の科目を勉強することで自然と身に付き、さらに興味があることについてもっと知りたいと思う探究心がきっかけなり、研究体験をする過程で洗練されると考える。しかし、その一方で、生徒によっては、大学受験で文系学部を受ける場合、理数の勉強にあまり注力したがらない傾向がある。

探究未来学で生徒の探究心のスイッチを入れる

富士高校では、その状況を打開するために取り組んでいる探究未来学という教育カリキュラムがある。探究未来学では、中学3年生から高校2年生まで、生徒一人ひとりが全員、自分の興味のある研究テーマを考えて、研究に挑戦している。2016年9月には、1年間ないし2年間研究を行なった富士高校の生徒40名を対象に、理数科目に限らず体育や国語のような文系科目でも探究型学習を実践している堀川高校脚注2を訪問させた。その時は、洗練された現地の高校生の研究発表を聴講し、生徒自身が堀川高校の学生の探究心の高さに触れる機会を設けた。「堀川の生徒も同じ高校生。最先端の活動を目の当たりにするこのような機会を通して刺激を与え、早いうちから生徒の奥底に眠っている潜在的な能力を耕してあげたい」と上野先生は語る。

答えを教えないことも指導のうち

その一方で、専門外のことも指導する教師には、生徒一人ひとりに対する研究の指導は困難だ。そんな時はどうすれば良いのか?上野先生の答えは、あえて指導はしないこと。生徒自身の「もっと知りたい」と思う種を育てるため、生徒と一緒にあれこれ結果を考えることが、答えのない課題に挑戦し続ける資質をはぐくむことにつながると先生は考える。そして富士高校では、生徒たちの探究心をさらに育てていくための受け皿を作るため、大学などとも連携して研究指導をしてもらう高大接続も来年以降、加速化させていく予定だ。

「薄墨も、6年も塗ると、結構いい色になるんです」と上野先生。生徒一人一人が持っている探究心を探り当て、ゆっくりと時間をかけて育てていく。富士高校を巣立つ子どもたちがいい色となって世界で輝いていく日が待ち遠しい。

【学校情報】
脚注1
東京都立富士高校
〒164-0013 東京都中野区弥生町5−21−1
TEL:03-3382-0601
URL:http://www.fuji-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/
特記事項:東京都理数アカデミー指定校

脚注2
京都市立堀川高等学校
〒604-8254 京都市中京区東堀川通錦小路上る四坊堀川町622-2
TEL 075-211-5351
URL:http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/index.html
特記事項:スーパーサイエンスハイスクール指定校

 

 

 

 

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リバネス お問い合わせ窓口 [email protected]  担当:前田

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グローバルリーダー育成プログラムの企画方法、課題研究の組み立て方、海外研修コーディネート、
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