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第二の国際ツールを武器に世界に羽ばたいていってほしい 大野 弘

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東京都立戸山高等学校 校長 大野 弘

国際社会に貢献できるトップリーダーを育成していくという至上命題を古くから提唱し続けてきた東京都立戸山高等学校(脚注1)の先進的な取り組みのカギは、大野先生が海外に渡航した際に経験した原体験にあった。

理数のノウハウは第二の国際ツール

大野先生は、若手教員時代に、エネルギー環境教育事業で海外に渡航した際、英語が堪能なものの、滞在中のコミュニケーションに非常に苦労していた人を目の当たりにした。その一方で、大野先生自身は当時英語があまり得意ではなかったが、最低限の専門用語とロジカルに説明する力が備わっていたことで、目的を達成することができた。この経験によって、研究者の誰もが持っている知識や考え方こそが、英語に続く第二の国際社会における必要なツールなのではないかと考えた。そこで、戸山高校では、多くの生徒が、国際社会に飛び出して活躍できるように、さまざまな取り組みを行なっている。

さまざまな仕掛けで理数のノウハウを養っていく

理数のノウハウは、課題を発見、解決に挑戦し、その研究成果を周りに発信していくというプロセスを経て身に付いていく。

課題発見の能力を培うための取り組みの1つが、リレー授業だ。これは、SSHの取り組みの一環として行われている総合的な学習だ。この授業では、理系と文系の先生と生徒が一同に介して、「綿」などと共通のテーマを1つ決め、理系科目や文系科目のそれぞれの科目の視点から、綿の特徴や社会課題を挙げ、生徒間で徹底的に議論する。この理系と文系の壁を越えた議論により、1つの科目の視点のみからは見えてこなかった課題を、生徒たちの手で発見していく。さらには、SSHやチームメディカル(医療に関する課題研究プログラム)の取り組みでは、生徒自身が自ら発見した課題を解決するために研究に挑戦し、世界に発信する機会がある。世界に貢献していくためには、研究するだけではなく、リスクをとって世界に一歩を踏み出し、苦手な英語を駆使して、その成果を発信していくことも必要不可欠であり、そのために海外でプレゼンする機会は数多くある。

世界に発信していく上では、交渉力も重要

その一方で、成果を発信していくだけでは十分ではないと、大野先生は言う。成果を一方的に伝えていくだけでは、相手の知りたい情報や知識を考慮したコミュニケーションをとることができない。相手の立場や考え方を理解し、自分と相手の利益の総和を最大化できるように、交渉していく力も非常に重要だ。戸山高校では、これまで多くの財界人や企業人を輩出してきた伝統を活かして、生徒が自身の研究内容を大学や公的機関などの専門家に相談し、研究のメンタリングを受ける機会がある。学校内におけるコミュニケーションとは異なり、外部とコミュニケーションをとって自らの目的を達成するためには、相手の知識や関心をよく知った上で、仮説を立ててコミュニケーションを取らねばならない。そんなやりとりを通じて、自然と交渉力も身についていく。第二の国際ツールを駆使して、生徒たちが世界で活躍していくのも、もうすぐだ。

【学校情報】
脚注1
東京都立戸山高等学校
〒162-0052 東京都新宿区戸山3−19−1
TEL:03-3202-4301
URL:http://www.toyama-h.metro.tokyo.jp/
特記事項:2004年度に東京都立高校として初のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)及び2016年度より医学部への進学を支援するチームメディカル(TM)の指定校

 

 

 

 

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