〔リバネスセンシズ〕「ワクワク語る大人」を増やすひと(後編)
リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。
瀬野 亜希(せの あき)
修士(理学)
専門分野:生命科学、生化学
(聴き手:佐野 卓郎)
→前編はこちら
佐野:リバネスに入ってまずどんな仕事をしましたか?
瀬野:もちろん、実験教室をやっていました。あとは、立命館大学の冊子「芽が出る理系マガジン」の制作などにも関わりました。
佐野:仕事はどうでしたか?
瀬野:日々、地獄のライティング特訓でしたね。子供たちのために何が重要か、そしてクライアントのために何が重要かを考える習慣をかなり叩き込まれました。
あと、中高生のための学会「サイエンスキャッスル」を立ち上げから関わらせてもらいました。
佐野:「サイエンスキャッスル」は大阪で始まったんですよね。
瀬野:はい。当時はちょうど、中・高等学校で課題研究が行われるようになった頃だったんですが、そうした研究の成果を発表する場がなかったんです。先生方にも求められていた取り組みでしたので、「やってみよう」ということで始めたんです。初回の発表件数は20件。ポスターと口頭での発表をやりました。
佐野:それが今や、東北、関東、関西、九州の4地域で実施されて、全国で430件の発表が集まっていますよね。シンガポールでも実施していますし。
瀬野:研究の内容もだいぶ進化しているんです。皆とても良い発表をしますし、本当にレベルが高くなっています。
それに2017年度は、「マリンチャレンジプログラム」という、海に関する中高生の研究を支援するプログラムを走らせ始めました。
佐野:サイエンスキャッスルが発展した形とも言えますね。
瀬野:はい。私の実家が今治市にあり、船に関わる仕事をしていますので、海はとても身近なんです。そのためこのプロジェクトには、私の想いもたくさん乗っています。
佐野:今後はどのようなことを仕掛けたいですか?
瀬野:以前東京で「海の王国」というイベントをやりました。小学校を貸切にして、海にまつわる様々な実験教室や講演、展示などが行われる小学生向けのイベントで、多くの企業や研究機関と一緒に取り組むものなのですが、今度は地元で「海の王国 in 今治」をやりたいなと思っています。私は地元が好きなので、地元でもリバネスの実験教室や様々な活動をやりたいんですよ。
佐野:なるほど。
瀬野:船舶貸渡業をしている父は、あまり海について語りませんでした。今父に聞けば海のことが好きだと話しますが、子供のときにその話を聞いていたら、私ももっと海が好きだったかもしれません。
大人は自分たちの仕事をもっと語り、子供に伝える必要があると思います。ワクワクしていることを、好きなことを伝えてくれたら、子供たちは楽しい夢を描いてもっとハッピーになれる。
今になり、多くの企業と仕事をさせて頂いていますが、企業でやっていることを聞いてみるととても面白いんです。私は、そんな企業の皆さんと一緒に、企業の技術や思い描いている未来を子供たちに伝えられるような仕組みと文化を創っていきたいと思います。
今、彼女が打ち立てたビジョンに多くの社会人や企業が巻き込まれつつある。それは彼女のビジョンが、すべての大人たちに「子供」だった頃の経験をもう一度思い起こさせるからかもしれない。