〔リバネスセンシズ〕人と自然の共生型社会を目指すひと(前編)

〔リバネスセンシズ〕人と自然の共生型社会を目指すひと(前編)

リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。

仲栄真 礁(なかえま しょう)
博士(理学)

専門分野:サンゴ生物学

(聴き手:佐野 卓郎)

仲栄真 礁(なかえま しょう)さんは、地元の沖縄が大好きだ。学生のときには沖縄の自然に着目し、友人の宮崎 悠さんらと共に、自然に関する教育活動やエコツアーを行う「一般社団法人キュリオス沖縄」という団体を立ち上げるなどしてきた。そんな仲栄真さんがリバネスに初めて参加をしたのは、2006年冬の大分での実験教室であった。仲栄真さんがどのような想いをもって様々な活動をしているのか、話を聴いてみた。

佐野:仲栄真さんの大学(学部生)時代について教えてください。

仲栄真:九州大学の農学部でリステリア (Listeria)という食中毒に関わる細菌の研究をしていました。私は、もともと中学生の頃から動物番組が好きで理系にハマり、バイオテクノロジーを扱いたくて農学部に進学したんです。

佐野:大学院ではサンゴ礁の研究をしていましたよね?

仲栄真:学部生の頃、スキューバダイビングサークルの合宿で、沖縄の海に潜ったんです。私は沖縄出身ですが、海に潜ったのはそのときが初めてでした。そして、サンゴの大白化現象を目の当たりにしたんです。実物を見て衝撃を受けました。後で調べてみたら、サンゴについては分かっていないことが多いと知りました。なぜ白化するのかとか、共生する藻類にはどんな意味があるかとか。
いずれは沖縄に関わる仕事をしたいと思っていましたし、偶然にも自分の名前が「礁」だし。だからサンゴの研究をすることにしたんです。

佐野:リバネスのことはどこで知ったんですか?

仲栄真:大学にビジネスを学ぶサークルがあったんですが、そこで友人から誘われて学部1年生のときに参加しました。リバネスはそのときに初めて知りましたね。実験教室前日に石澤さんによる事前研修を受講して、翌日、大分でDNA抽出の教室を実施しました。今でもよく覚えています。
実は当時、私は教育にも興味をもっていました。私自身は大学に入る前、塾に行ったりして一生懸命受験勉強をしていました。でも、大学に入ったら頭のいい人たちがたくさんいて、彼らの話を聞くと、塾なんかほとんど行ってなかったと言うんです。その違いに関心をもっていました。

佐野:実験教室に参加してみて、どうでした?

仲栄真:リバネスでは、よく「実験教室で次世代育成と合わせて即戦力人材を育成する」という話がされますが、その意味がよくわかりました。
私はこれまで、ボランティアで実験教室をやったことがありましたが、それとはちょっと違うんです。それまで参加した実験教室は、当日にスタッフとして参加して楽しみながら子供たちと一緒に実験をやるものでしたが、リバネスは事前の準備が本当に大変。でもそこに理系人材が成長するチャンスがあるんです。

 

後編