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【実施報告】植物工場分野で日本はいかにリーダーシップをとるか? リバネス代表取締役CEO 丸幸弘が国際学会Indoor Ag-Con Asiaに登壇

【実施報告】植物工場分野で日本はいかにリーダーシップをとるか? リバネス代表取締役CEO 丸幸弘が国際学会Indoor Ag-Con Asiaに登壇

2018年1月16日(火)、シンガポールで開催された植物工場の国際学会 Indoor Ag-Con Asiaにて、リバネス代表取締役CEOの丸幸弘がビジネス界の代表として登壇いたしました。

❝ How will Japan maintain its global leadership in plant factory technology? ❞

という演題のもと、約100人の参加者に向けて講演をしました。プレゼンテーションでは、植物工場ビジネスにおける課題を俯瞰し、1970年代から現在までのビジネストレンドについて紹介。そして、リバネスがサイエンスブリッジコミュニケーターとして、日本における植物工場ビジネスの第三次ブームの火付け役を担ってきたその軌跡を追いました。

代表の丸はかつて『WIRED』誌のアグリプレナー特集でも取り上げられている

日本における植物工場ビジネスの歴史

*詳細はリバネス発刊『植物工場物語』参照 https://plantfactory.info/2015/04/22/3283/

日本の植物工場ビジネスの発端は、レーザー技術を植物の成長に応用し始めた1970年代にまで遡ります。この時点ではまだ研究開発の範囲にとどまりますが、つくば万博での回転式レタス工場の展示をきっかけのひとつに1990年代に第二次ブームが訪れ、多くの食品系企業が野菜の安定生産を目的として事業参入するようになりました。このフィージビリティテストの段階を経て、2000年代より第三ブームを迎え、ICTやロジスティクスの技術を持つ企業の参入、また健康機能性・栄養価の向上など植物工場の新たな価値が注目されるようになりました。植物工場設置数が大きく伸び、近年ではスタートアップと大企業の連携も加速しつつあります。

各国から参加者が集まり、会場は熱気につつまれた

コミュニケーターとしてのリバネスの仕掛け

2010年以降植物工場のプレーヤー数は順調に増えたものの、導入コストが高く利益を得ることが難しいという壁がありました。産業として成長するためには、消費者の理解を得ることが重要だったのです。

リバネスは消費者とのコミュニケーションに焦点をあて、2005年より自社で植物工場の技術に関する調査研究、プロトタイピングを開始。自社の中高生向け科学雑誌やSNSなども積極的に活用し、研究者と社会の知識差を埋める取り組みを継続してまいりました。

2010年のサブウェイ野菜ラボ丸ビル店への導入を皮切りに、『店産店消』という新しいコンセプトの店舗併設型植物工場モデルを提唱。研究開発・大企業連携・メディア戦略という社会を巻き込んだ一連の取り組みが評価され、2011年にはGOOD DESIGN賞を受賞しています。

その後シンガポール科学技術館、は宇都宮の餃子店「豚暿暿」、下北沢病院など国内外20箇所へ植物工場を導入、日本蓄電器工業株式会社や株式会社沖縄計測等の企業連携など、産業化に向けた取組みを継続してまいりました。(http://plantfactory.info/about/archive/

現在は、植物工場産業の底上げを目指し、栽培管理システムの基幹技術や、人材育成プログラム、販売チャネルまで一貫したサービスを持つスタートアップを支援。2015年には株式会社ファームシップに出資しています。

 

 

日本からアジアへ、いかにリーダーシップをとるか

講演の最後には、植物工場ビジネスのさらなる成長に必要な要素として、1. コミュニケーション2. 技術移転 3. スタートアップ支援、4. 大企業と連携したビジネス創出 の4点を掲げ、日本が今後も世界を牽引し、食糧課題が重要視されるアジアの発展にも貢献していく姿勢を示しました。

質疑応答では、マーケティングに必要な要素としてまず消費者とコミュニケーションをとること、学校教育のなかに植物工場・アグリサイエンスに触れる機会を取り込むことを提案。次世代育成を通して、将来的に植物工場を理解した消費者が増えていくことの重要性を説きました。また新規事業の参入障壁をどう超えるかという質問については、植物科学・ロジスティクス・販売等の専門家を集めたチームをうまく形成することが大事であると強調。そして海外展開にあたってはハードウェアだけにこだわらず、知識を輸送し、その国の研究者やアントレプレナーと共に事業を興すことを提案いたしました。

今後もリバネスは、植物工場をはじめとする農業分野の発展に貢献してまいります。国内外問わず、起業、技術シーズの発掘、スタートアップ支援や新規事業にご興味のある方々はいつでもリバネスにご連絡ください。

学会概要

Talk Title: “How will Japan maintain its global leadership in plant factory technology?”

Date and time: 11am to 12pm on 16th January 2018

Venue: Orchid Ballroom, Sands Expo & Convention Centre. Marina Bay Sands. 10 Bayfront Avenue, Singapore 018956

 
本学会は、農業分野における投資促進と環境制御型農業技術の向上を目指し2013年に設立され、以来ラスベガス・フィラデルフィア・シンガポールにて定期開催。 リバネス代表の丸は、自身が農学分野で博士号を取得し、農学・バイオ分野の研究者と共にリバネスを設立。現在東証一部上場となった株式会社ユーグレナの技術顧問として設立時から研究開発・ビジネス開発の伴走をし、現在はリバネスの創業応援プログラムTECH PLANTERや事業会社と連携したリアルテックファンド等を通して、日本の数々の農業ベンチャーの支援を行う。