〔リバネスセンシズ〕博士の価値の最大化を目指すひと(後編)

〔リバネスセンシズ〕博士の価値の最大化を目指すひと(後編)

リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。

石澤  敏洋(いしざわ としひろ)
博士(生命科学)

専門分野:分子生物学

(聴き手:佐野 卓郎)

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佐野:リバネスに社員として入社してからは、どんなことをしましたか?

石澤:最初の頃は、理系キャリアイベント「Career Discovery(キャリアディスカバリー:現キャリアディスカバリーフォーラム)」や「博士のキャリアカフェ」を立ち上げていました。

佐野:感想は?

石澤:私のやりたかったことには沿いますが、これをどうやってビジネスにしていくのか、という課題にぶつかりましたね。とても楽しかったのですが、同時に難しさも感じました。

佐野:石澤さんは、これまで様々な事業部を経験して、現在は地域開発事業部の部長をやっていますよね?

石澤:はい。地域開発事業部は、科学技術や教育などを活用しながら国内地域を盛り上げていくような活動を展開しています。他の事業部とは違い、地域開発事業部は「リバネスのすべてを使って地域でなにができるか」を考えなくてはなりません。出向く先々の地域によって課題が違いますし、それぞれの地域で企業や大学、地方銀行、自治体のひととがっちりと手を組んで活動する必要があります。とてもおもしろい仕事ですね。

佐野:そういえば、滋賀県などと一緒に地域の産業や人材を育てる取り組みを始めていますよね?

石澤:はい。県と連携しながら、その地域の新たな産業を創出するような取り組みなどをしています。地域テックプランターのような仕組みを使って、エコシステムをつくっていこうというものです。

佐野:どの地域も地域活性化などに予算をつけて、色々と取り組んでいますよね。

石澤:でも、このままでは頭打ちがくると思うんです。たとえば、イベントや観光施設を建てるなど色々と取り組んでいる地域もありますが、やはり、地域を担う未来のひとや産業を育むことが必要だと思うんです。そのためには、きっと地域に科学技術が必要になります。そして、それは今から仕掛けていく必要があると考えています。

佐野:長期的なプランを考えているということですね。

石澤:そうですね。たとえば滋賀県や熊本県などでは、コンソーシアムを組んで活動を始めています。地域のひとたちも、長期戦を仕掛けようとしてくれているんです。

佐野:そうなると、石澤さんは今後、地域のエコシステムを構築するような活動をしていくのでしょうか?

石澤:私自身何をしていきたいか、まだモヤっとしているんですけどね。地域開発事業部には、重永さんのように、地域に愛着をもっている人がいます。一方で、私は地域に愛着があるというよりも、地域を巡り、そこにいる人たちに惹かれて取り組みを始めています。地域テックプランターなどで新たな産業の種を育むような活動をしていると、そこには、熱意のある博士たちが集まってきます。「地域を、日本を、世界を、こうしていきたい」と強い意志を表明してくださるんです。地域にもたくさん活躍する博士がいる。新産業が生まれれば、さらに多くの博士が、そのキャリアの可能性を広げるでしょう。
そしてその先に何が見えてくるのか、今の私にはまだわかりません。滋賀県との取り組みなどから、まずは地域における博士の価値や在り方を見出し、地域の未来をイメージしていきたいと思います。