第3回いたばしベンチャーフォーラム実施いたしました【レポート】

第3回いたばしベンチャーフォーラム実施いたしました【レポート】

板橋区では、2016年度より高い技術を持つ区内の町工場と、アイデアや熱意はある一方、技術的な課題をもつ若手企業を連携させることで新しい製品や事業、産業を生み出す支援事業を行ってきました。本フォーラムは、実際に連携した町工場や若手企業による成果報告や、板橋区や町工場、ベンチャーによるパネルディスカッション、ブース展示、交流会を通して新しい連携が生まれる場所になることを目指し実施しました。当日は100名が参加し、積極的な交流を行いました。

<概要>
第3回いたばしベンチャーフォーラム〜ものづくりで興す板橋の新産業〜
<日時>
2019年1月25日(金) 14:30~18:00 (交流会 18:15 ~ 19:45)
<会場>
グリーンカレッジホール(板橋区立シニア学習プラザ)(東京都板橋区志村3-32-6)
<体制>
主  催:板橋区
企画運営:株式会社リバネス
対 象 :板橋区内外の製造業、ベンチャー、研究者、大企業、医療、介護、福祉関係の皆様
<登壇者・プログラム詳細>
(本事業は板橋区の「第3回いたばしベンチャーフォーラム事業」より実施いたしました。)

 

<開催レポート>

はじめに、板橋区 産業経済部長 尾科 善彦と株式会社リバネス 執行役員CKO 長谷川和宏 より、主催者挨拶と趣旨説明を行いました。板橋は光学・精密機械・印刷を中心とした製造業の拠点であり、その産業活性化の打ち手として2016年より町工場とベンチャーの連携を実施してきた背景を紹介いたしました。また、本年度は、板橋区の医療・介護福祉に関する地理的資源を活かし、ものづくりの力で、それらに関わる新産業を生み出していくことを趣旨とすることを発表しました。


第1部では、まず、成果報告として板橋区内製造業者とベンチャーとの連携事例の紹介を行いました。
1組目は、「音声コミュニケーション可視化技術の開発と製品化」というテーマで、ハイラブル株式会社 代表取締役水本武志氏と有限会社HINODE 代表取締役社長の吉川孝氏、プロダクトデザイナーの冨田昌人氏に登壇いただきました。まず、水本氏から音声コミュニケーション可視化に関する課題と事業紹介を行いました。解決の鍵となる集音マイクについて、より直感的に設置しやすい外装の開発をHINODE社に依頼しました。水本氏からは、「社内で試作までは進めたが、その後どうやって精度を高めるか、また量産化するかが分からなかった。HINODE社には、丁寧に話を聞いてもらってこちらの意図を汲み取ってもらったり、いつも複数の提案を用意してもらえて非常に進めやすかった」と感想をいただきました。また、製造を担当したHINODE社の冨田氏からは、「今回上手く進んだのは、ハイラブル社の、いいデザインを求める想いが強かったから。デザイナーはその想いに動かされていいプロダクトを生むことができるのだと再認識した」と感想をいただきました。


2組目は、「オフィスの「空気」を和ませるRELAHOOOPの開発」というテーマで株式会社アクアリングの岩本達也 氏と、オクト産業株式会社の山内貴司氏に登壇いただきました。まず岩本氏から同社の紹介と開発の経緯をお話いただきました。仕事中、休憩を取りづらい雰囲気があるという課題感から、そういった「空気」を見た目や香りで変える装置開発のアイディアが生まれました。しかし、同社ではプロダクト開発の経験はまだ少なく、オクト産業社と連携を始めました。「依頼をしてから1ヶ月後にコンペというタイトスケジュールだったが、コンペに求められる機能の優先順位を整理し、実現方法を積極的にアドバイスしてもらえたことや、名古屋と東京という遠隔地でも、適宜進捗状況を動画で共有してもらえたことで安心できた」と感想をいただきました。山内氏からは、「Turn key solution」を用いた短期間での開発手法や、具体的な開発の経緯について説明いただき、最後に「ざっくりしたアイディアからみんなで努力するのが得意。ぜひまた一緒にできれば嬉しい」と応援メッセージをいただきました。
ベンチャーと製造業との連携は、一般的な受注発注関係とはまた違い、ベンチャーが目指す「社会課題の解決、創造したい世界感」に一緒に想いを馳せ、応援してくれる町工場の存在が重要であることが感じられた成果報告会となりました。

第2部では、区を代表する「町工場」として第1部にも登壇した有限会社HINODEの吉川氏、板橋区に医学部・薬学部等を設置する「帝京大学」で帝京大学発ベンチャーの創出を試みる中西穂高氏、医療分野、健康増進プロジェクト推進の経験をもち、現、産業経済部産業戦略担当課長である長谷川 氏、そして多くのヘルステック系ベンチャーの立ち上げてきた株式会社リバネス代表取締役副社長の井上がパネリストとして登壇し、「ものづくりでヘルステック新産業を興すには?」というテーマでディスカッションを行いました。

長谷川氏と中西氏からは、区内がものづくりだけではなく、大学病院等医療機関が集中し、都内の1/8の病床が板橋に集中していることや、高齢化率が30%を超える高島平団地の事例から、健康寿命の延伸を目的とした新産業を生み出す必要があることが説明されました。吉川氏からは、板橋区は技術のある町工場は多いが、横の連携が他地域に比べ希薄であることから、「ヘルステックベンチャーをものづくりで支援して新産業を生み出そう!」というテーマがあると連携しやすくなるのでは、と意見が出ました。
一方で、医療機器の製造ハードルは高く、どのようなヘルステック産業に注目するかが次の議題となりました。井上からは、ヘルステック産業の中でも特に今世界的に「ゲノムや心拍、腸内細菌など、パーソナルデータの収集・蓄積・活用」に注目が集まっていることが説明されました。中西氏からは、田舎で健康に関するビックデータの蓄積は始まっているが、実は都会ではあまり例がなく、板橋区で行うことに大きな意義があることが話されました。「商店街の空き店舗や薬局で健康データを蓄積、管理する仕組みをつくり、時間をかけてデータを集めてはどうか」等、様々なアイディアが話されました。
パネルディスカッションの第二部では、同区で産業が生み出されるにはどのような挑戦が必要か、それぞれのパネリストからお話しました。井上からは、「ベンチャーの技術をどんどん病院や施設に導入してフィードバックをかけて、実績を積み重ねてほしい」と意見がありました。また、吉川氏からは、「町工場の次世代経営者が外に出て違う世界の人とディスカッションできる場が必要であり、区にもそういった場作りを支援してほしい。また、町工場自身もベンチャーの実現したい未来を否定しないで、応援する姿勢をもつことが必要だ」という意見が出ました。中西氏からは、「大学ももっとやっていることをシーズ集のような形で公開して、連携をしやすくする必要がある」という意見がありました。
これらを踏まえて最後に長谷川氏から、「区内町工場の連携を深める支援や、区内大学との産学連携支援がより必要なことが分かった。何より自らも町工場訪問などを行い、現場をみて一緒に頑張っていきたい」とメッセージが話されました。
最後に井上より「来年までに具体的なヘルステックベンチャーと町工場や区の連携事例を10個生み出そう!」という熱い宣言がなされ、会場が熱気に包まれました。

第三部では、今、期待されるへルステックベンチャー3社の紹介プレゼンを行いました。昨年は帝京大学の教授として登壇した丸山 一雄 氏は、今年自身が立ち上げた「株式会社ウェルセラ」の所属で登壇しました。これまで困難だった、癌等の診断と治療を同時に行うマイクロバブル製剤開発について紹介があった後、具体的な技術課題が示されました。

次に手のひらの発汗からストレス状況を測定する「株式会社スキノス」の百瀬 英哉 氏が登壇し、「ストレスから生まれる精神的悪循環を解決する社会をつくりたい」という熱いビジョンが話されました。

最後に、介護者の負担を軽減する排泄センサーを開発した株式会社abaの宇井吉美氏が登壇し、自身が介護現場で感じた課題を解決するために装置開発を志した経緯や、製品の特徴、今後の目標についてお話いただきました。社会的な課題に立ち向かうベンチャーの想いが会場にも伝わり、その後の交流会では活発な意見交換が行われました。

本リリースに関する問合せ先======
株式会社リバネス 地域開発事業部 [email protected]