聖光学院中学校・高等学校で土壌に関する出前研究教室を実施しました

聖光学院中学校・高等学校で土壌に関する出前研究教室を実施しました

聖光学院中学校・高等学校(学校長 工藤 誠一)において、2019年8月25日に出前研究教室を実施しました。今回の教室は、中学1年生から中学3年生、希望者26名を対象に、土をテーマに実施しました。

 

私達の身近に存在する土ですが、改めて科学的に土を見直すと、どのような視点を得られるでしょうか。

私達が毎日食べる農作物の味や収穫量は土壌の豊かさに大きく左右されます。何かを建てる際にはその周辺の地盤を調査します。土砂崩れに備えて予知・検知するための研究開発も進められています。

なかなか実感する機会は少なくとも、土にまつわる研究・開発は多岐に渡ります。今回の実験教室では土にまつわる科学を学び、身近なものに隠れたサイエンスがあることを伝えて、身近な興味が自分の世界を広げる始めの一歩だと気づいてもらうために実施しました。

 

イントロは、1969年にアポロ11号にてアームストロング船長が月に残した足跡の写真と、砂浜に残した足跡の写真を比較、「月や、火星には土は存在しない」という印象的な話からスタート。そもそも土とは学術的にはどう定義されているのか?用意した8種類の大小様々な土(荒木田・黒土・鹿沼土・赤玉土・川砂 ・寒水砂・カオリン・ゼオライト・バーミキュライト)には、どのような違いがあるのか?見た目も採取地も異なる土を観察することで、土に関する知見を増やしました。

また、物理性と化学性といった土の性質を学び、分析手法を手に入れるため、水分を保持する能力を測る「吸水性試験」と化学物質を吸着する能力を測る「物質吸着性試験」を実施。粒の大きさやその表面形状の違いによって起こる差に驚くとともに、そこには表面張力やナノレベルでの構造の差が作用していることを、化学の専門家である講師から直接学びました。

 

後半では、参加生徒が土の研究所の新人研究員として、持ち込まれた課題に答えるための「最強の土」を考えました。

前半で調べた土の吸水性や物質吸着性の数値、加える水の量、そして各土の価格も考慮し仮設を立て、課題に併せたブレンドや固め方を検討。統一した基準に従って、硬さと価格、ひび割れの有無などを評価しました。

実験教室の最後には、人々の生活に関連した土にまつわる最新研究を紹介して、研究者が行う試行錯誤のプロセスが、今世の中に無いものを作るのに非常に重要であることを、参加してくれた生徒全員に伝えました。

 

〔参加した生徒の感想〕

  • とても楽しく土について学べて良かった。今までより土に興味がでた。
  • 仮説において、着眼点に多様性があって良かった。
  • 生活にとって身近な土への考え方がかわったきっかけになりました。
  • 普段意識しない土の意外な特性について知れた。楽しかった。

 

〔参加したスタッフの感想〕

 どこにてもある土ですが、赤土・黒土など、全国にはその地域固有の土が存在します。その性質の違いにより、人々は育てる作物変え、土に合わせて生活スタイルを変化させてきました。今回の実験教室で、生徒達に教科書では学べない地域に根ざした実学の大切さを感じ取ってもらえたと思います。

 

〔概要〕
日時:2019年8月25日(日)10:00〜16:00
会場:聖光学院中学校・高等学校
対象:中学1〜3年生 26名
主催:株式会社リバネス
テーマ:土壌化学、土壌物理学

リバネスでは、最先端の科学やものづくりのアイデアを用いた実験教室を様々な学校や学年を対象に実施しております。ご興味をお持ちの方は下記お問い合わせ先までご連絡ください。

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社リバネス 滝野
メールアドレス:[email protected]
TEL:03-5227-4198