〔リバネスセンシズ〕多様な文化と知識から、新たな哲学を見出すひと(後編)
リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。
伊達山 泉(だてやま いずみ)
博士(バイオサイエンス)
専門分野:分子細胞生物学
(聴き手:津久井 雅美)
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津久井:リバネスのことは、どこで知りましたか?
伊達山:大学院生のときに、サイエンスコミュニケーションサークルに入り、実験教室やサイエンスカフェなどの活動をしていました。研究者としての知識や経験は活かしたい。でも、ラボに篭っているだけでは社会との接点も少ないし、私がやりたいこととは少し違うなとも考えていました。そんなあるとき、先輩にリバネスを紹介されて、インターネットで検索してみました。Webサイトには、中嶋さんが子供たちと楽しそうに実験をしている写真が載っていたのですが、「私がやりたいのは、これじゃないな」と思って、そっとパソコンを閉じたんです。子供の教育に、当時はそれほど興味を持っていなかったんですよね。当時の私は、研究者の道を選んだとしても、自分の研究室を持って運営するような立場になりたいわけではありませんでした。一方で、研究の学生のそばにいて面白さを伝えるような教育者になりたいと思っていました。自分のやりたいことは「サイエンスコミュニケーション」なんだと改めて感じたんです。だから、「サイエンスコミュニケーション」とパソコンに打ち込んで検索をしてみると・・・リバネスが出てくるんです。どうやってもリバネスが出てくるんです。私はもう一度、リバネスのWebサイトを見ることにしました。すると、リバネスが海外の仕事も始めていたのです。学生の育成ももちろんそこには載っていました。海外展開は私もやりたい。人材育成にも興味がある。私のやりたいことがそこにありました。人材育成とは、いろんな人にそのタネを植えて、育てていくことです。教え子たちが広がっていくことで、社会に変化が起こるかもしれません。リバネスに入ったら、日本に来ている留学生に、リバネスでしか受けられない教育を経験して、そして母国に戻ってもらいたい。そんな妄想をしました。
津久井:リバネスに入社して初めにやったことは何ですか?
伊達山:「キャリアディスカバリーフォーラム」の中で、留学生向けのプログラムを企画しました。大学院生のとき、周りには留学生が多く、日本で就職する際の課題が多いことがよく話題になっていました。留学生の多くが日本企業のことをわからないから、一歩を踏み出せずにいる。研究能力があるけど、日本語ができないからうまく活躍できない。国費留学なんかもありますが、卒業したら母国に帰ってしまって、日本にはなんのメリットもないわけです。留学生がもっと日本のことを、そして日本の企業のことを知れば、活躍の場だって見えてくると思います。
津久井:キャリアディスカバリーで行なったプログラムは、どんな結果を残したのでしょうか?
伊達山:そうですね。このプログラムでは、様々な国の留学生が参加し、日本の大手企業やベンチャーとのマッチングを行いました。企業は単純な人材募集をするわけではなく、自社が思い描く未来像とこれから進めていく未来志向な活動について話をしてもらいました。参加した留学生の多くが、企業のビジョンや想いを知り共感している様子でした。リバネスの支援するベンチャーに留学生が就職しているケースもあり、本当に嬉しく思いました。
津久井:今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?
伊達山:私にとっては、仕事も研究も、人と接点をもつためのチャンスなんです。これらアクティビティを通して、多様な人々と接点を持つことができる。人はそれぞれの環境のもとで、各々に違った経験をして、違った知識を身につけていきます。それを供与し合う場やしくみを社会に作りたいと考えています。私がやってきた「研究」という活動はまさにそれにあたるのではないでしょうか。多くの研究者とともに知識を交換しあって、新たな概念や知識を生み出そうとするんです。自分にはなかった新しい感覚を得られるチャンス。それって、冒険するのと同じくらいワクワクしますよね。