〔リバネスセンシズ〕チームの力で薬を生み出すしくみを創造するひと(後編)
リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。
濱口 真慈(はまぐち まちか)
博士(理学)
専門分野:神経科学、分子生物学
(聴き手:渡辺 桂子)
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渡辺:リバネスのことはどこで知りましたか?
濱口 : インターネットで検索しているときにたまたま見つけました。「研究の窓口」に行き着いて、研究の社会実装やベンチャー支援をしているということを知ったんです。興味が湧いて、すぐに大阪本社に電話しました。電話対応をしてくれた磯貝さんから「ビジョナリーカフェに参加してみては?」と誘われて、参加してみると、たくさんの役員の方がそこにいたんです。
渡辺 : 大阪本社ができて初めてのビジョナリーカフェだったんですよね。それで、入社しようと思いましたか?
濱口 : はい、思いました。今まで研究室に5年間篭っていて、あまり外に出ていなかったんですが、いざ外に出てみたら、ぶっ飛んだ人がたくさんいて、本当に面白いなって。そういう人と触れ合えるところに自分もいたいなと心から思いました。
渡辺 : 濱口さんは大阪本社初の新卒採用でしたが、苦労しませんでしたか?
濱口 : 最初は東京勤務になるという話もあったので、ずっと「どっちに行くのか」と周りからも不安に思われていました(笑)。 でも、特に苦労はしていないと思います。
渡辺 : リバネスに入社してみて、研究室にいたときとの違いってありますか?
濱口 : たくさんあります。たとえば、自分ができないことを皆に周知していくということが、今までにはないことで驚きました。できなくてもいいんです。ここまでしかできていないということを伝えていくのが、チームではとても大事なことなんだと知りました。
研究室だとひとり1テーマをもって研究していたんです。あまり、チームでやることをしていませんでしたからね。
渡辺 :リバネスの仕事は、チームで取り組むのが基本ですからね。
濱口 : ひとにお願いするときもあるし、思うように行かないときもある。でも相談ができる。それって、とても良いことですよね。
渡辺:リバネスに入社して一番最初にやったプロジェクトって何ですか?
濱口 : 小学生向けの企画で「海の王国」というものです。海に関する様々なサイエンスやテクノロジーを体験できるイベントです。わたしはそこで、プランクトンを探索する企画を、仲栄真さんと滝野さんとともに担当しました。
渡辺:やってみて、どうでしたか?
濱口 : 正直、心残りがありますね。プランクトンを見るだけで終わってしまったような印象があります。現地でサンプリングして実施したのですが、採取できたプランクトンがあまり動かなかったり、生き物を扱うだけに予想できないこともありました。初めて小学生の相手をして疲れたし、てんやわんやで私自身の学びは少なかったように思います。
渡辺:初めての経験って、そんなものかもしれませんね。
濱口 : 最近の実験教室では、ようやく私自身も余裕がでてきて、参加する生徒さんにどうしたらもっと興味をもってもらえるか、疑問をもってもらえるかなどを考えられるようになってきました。
渡辺:リバネスのメンバーと実験教室をやってみて、チームとして必要な要素って何か見つかりましたか?
濱口 : リバネスメンバーもインターン生も、そのプロジェクトだけをやっているわけではないんです。それぞれに他の仕事を掛け持った人たちがチームになっているわけです。人によって空いている時間やタイミングも違う。それを把握するのも大事だし、助け合わないといけない。メンバーのことをよく考えながら、自分はどう動くべきか。そういうことを意識するのも大事なんだと知りました。
渡辺 : 今後はどのようなことをやっていきたいと思いますか?
濱口 : 薬を生み出していくための社会的な仕組みをつくりたいです。日本では課題も多いと思いますが、それを乗り越えるような事例を作っていきたいです。投資育成研究センターにも参加し始めたので、うまくいったベンチャーの要素を分析しつつ、発展途上のベンチャーに何があれば成長していけるのかを分析研究していきたいとも思っています。
リバネスには、ベンチャーも大企業も地域の自治体やら金融機関も、色々な人たちが集まっています。 私だけではできないテーマ。でもきっと、ここにいればできるはずです。