AIを使った物体検知システムの開発をテーマとした実験教室を実施しました!

AIを使った物体検知システムの開発をテーマとした実験教室を実施しました!

株式会社リバネス(代表取締役社長COO 髙橋修一郎)は、宇都宮短期大学付属高等学校にて、AIを使った物体検知システムの開発をテーマに実験教室を行いました。PCやタブレット端末を用い、プログラミング不要で生徒がAIの開発を体験できる初の実験教室です。

 

実験には、リバネスが支援するベンチャー企業である株式会社ヒューマノーム研究所(代表取締役社長 瀬々潤 氏)が開発したHumanome Eyes*を用いました。Humanome Eyesは「AI構築のワクワク体験を広げよう」という思想に基づき、いつでも・どこでも・だれにでも扱えるAIの普及を目指して作られたツールです。プログラミングを必要とせず、画像の入力と簡単な操作で誰でもAIを使った物体検知システムを作り上げることができます。
(*Humanome Eyes Webサイト:https://humanome.jp/activities/eyes/

 

当日は、56名の高校一年生を対象に教室を実施しました。

『まるで赤ちゃん?画像認識AIを育ててみよう!』と題し、生徒が自分のノートパソコンを使って、AIを使った物体検知システムの開発に取り組みました。

 

生徒は、まず、Humanome Eyesに画像を読み込ませ、検知したい物体を指定してAIに学習させる一連の開発のプロセスを体験しました。その後、3つのテーマに分かれて各班で物体検知システムの開発を行いました。

▲リバネスの講師による導入講義。

▲プログラミング無しで、Humanome Eyesを使ったAIの開発を体験。

 

 

『心霊写真発見AI「ソコダオマエダ」を開発しよう!』をテーマに活動した班では、自分たちの集合写真に写り込んだ幽霊の格好をした人を見分けるAIの開発に取り組みました。写真の中に写った人を、女子生徒、男子生徒、幽霊と自分たちでそれぞれ指定してAIに学習させました。結果、AIが画像に写った人を指定通りに正しく認識する場合もあれば、白い服で長い髪のものを幽霊と覚えさせたが故に、実際には髪の長い幽霊ではない人までAIが幽霊だと判別されてしまうようなことが生じました。同様のことは、私たち人間が自分でこうだと決めて他の人に物事を伝えるときの伝達ミスでも起こり得ます。生徒たちは、この活動を通じて自分が社会で物事や情報を選び論理的に伝達するときの注意点を考え直すことができました。

▲AIに学習させた画像。生徒が校内で幽霊の格好をしたものや、生徒自身の写真を読み込ませて幽霊の判別を試みました。

 

 

『海の生物を見分けるAI「シーガイドゴーグル」を開発しよう!』をテーマに活動した班は、見た目が似ているアシカ・アザラシ・オットセイを精度よく正しく見分けられるAIの開発に取り組みました。数ある画像の中から、AIに学習させる画像と種類の区別に繋がる部分を自分たちで指定し、精度よく種を見分ける方法を工夫しました。試行錯誤を繰り返して画像認識AIの作り方を学んだ生徒からは、「家に帰ってもHumanome Eyesを使ってもっと高い精度を実現したい」という意欲的な声が聞かれました。

▲講師による導入。水族館からの依頼の設定で、海の生物を見分けるAIを作りました。

▲生徒がアシカ・アザラシ・オットセイの画像を選んで、AIに学習させました。

▲左が学習させた画像で、右が学習の結果。AIがアシカを判別しました。

 

 

『笑顔を発見するAI「エガオミツケール」を開発しよう!』をテーマに活動した班は、人の表情から、笑顔を判別できるAIの開発に取り組みました。様々な人の表情を表したイラストの中から、笑っている顔、笑っている口、などの部分を自分たちで定義してAIに学習させました。AIの開発を試行錯誤する中で、生徒たちからは「この表情は笑っているよね?」「いや、私は笑ってないと思う。」「そもそも、表情だけで人の感情を理解できる?」「私は、その時の感情だけじゃなくてその人の性格も考慮したい。」「目の前の人を理解するために機械に頼るような人になりたくない。」など様々な意見が聞かれました。この活動を通じて、生徒たちは人によっても判断の分かれる内容をAIに教える難しさと、社会において科学を活用する意義と倫理面を学びました。

▲AIに学習させる顔の部分を指定しました。

▲学習結果を班の中で見比べながら、AIをどう使うかを議論しました。

 

1日の活動を終えた生徒たちからは、「自分でAIを育てて、そのAIが成長していくのが楽しいし、自分ちょっとすごいかもって思った。」「AIや研究者に対してのイメージが変わった。」「AIのイメージが変わり、また人間との相違点についても考えることができました。」「この教室の後でも自分で違うAIを作ってみたいと思った。」「どんな分野でも難しそうという先入観をなくしていきたい。」という声を聞くことができました。

社会で使われる最先端科学のAIを自分の手で操ったことで、自分と科学との関わり方や、科学と社会との繋がりを見つけることができたようです。

 

リバネスでは、これからもこのAIを活用した実験教室を各地で実施して参ります。

 

本件に関するお問い合わせはこちら:

株式会社リバネス  担当:神藤・西山

E-mail: [email protected]

Phone: 03-5227-4198