【実施報告】茨城県立勝田中等教育学校にて、株式会社エマルションフローテクノロジーズが開発したレアメタルを分離・抽出できる最新技術を用いた実験教室を行いました
株式会社リバネス(代表取締役社長COO 髙橋修一郎)は茨城県立勝田中等教育学校にて、中学2年生を対象に、レアメタルを分離・抽出できる最新技術「エマルションフロー」をテーマにとした実験教室「原子の世界を覗いてみよう」を実施しました。
今回の実験教室では、株式会社エマルションフローテクノロジーズの取締役CTO長縄弘親氏も講師として参加していただきました。株式会社エマルションフローテクノロジーズは、長縄氏らが日本原子力研究開発機構で研究していたエマルションフロー技術(レアメタルを選択的に抽出・分離しリサイクルする技術)を社会実装すべく設立した研究開発型ベンチャー企業です。リバネスが実施した茨城テックプランターにエントリーし2020年度に最優秀賞を受賞、リバネスは設立前から伴走支援を行っており、今回の登壇につながりました。
▲講義の様子
実験教室ではまずはじめに、レアメタルのリサイクルの難しさを体験する講義が行われました。レアメタルは身の回りの電子機器にも使われている重要な金属ですが、リサイクルをする時には、不純物の多い中で特定のレアメタルのみを取り出すのが難しいという課題があります。ここで生徒たちは、原子を模したビーズを用いて、不純物の中からレアメタルのみを取り出す難しさを体験しました。
▲ビーズを使った、レアメタル抽出のシミュレーション
ワークが終わると、生徒たちは実際に不純物からレアメタルを取り出すことができるかを考えました。ここでは、磁石を使う、融点を利用する、水と油への溶けやすさを利用するといったアイデアが出ました。
リサイクルの難しさを理解した後、長縄氏による実験の説明が行われました。ここでは、コバルトとニッケルの水溶液からコバルトのみを抽出剤を用いて分離する実験を行いました。抽出剤を用いて溶液の色が変化した時には、生徒から驚きの声が聞こえました。その後、色の変化を踏まえてコバルトの分離ができたのかを考察しました。
▲コバルトの抽出実験
実験の後には長縄氏による株式会社エマルションフローテクノロジーズの紹介と技術の説明が行われました。長縄氏が技術の社会実装のために起業したこと、エマルションフロー技術は従来よりも安価で効率的にレアメタルのリサイクルができることを話されると、生徒も興味を持って耳を傾けていました。最後に、自分の情熱を向けられることに突き進んでほしいというメッセージで実験教室は締めくくられました。
▲長縄氏によるエマルションフロー技術の解説
茨城テックプランターから生まれたベンチャー企業が、県内の学校で出前実験教室を実施するのは、県内初めての試みです。リバネスではこのような茨城県内での取り組みを通して、研究、創業、そして未来を担う次世代を育成するエコシステムの構築を目指しています。
<参加した生徒の感想>
・実験が本格的で、理科の授業の実験よりも本格的だと思ったので、ワクワクしました。
・次回も科学にまつわる楽しい実験をやりたいです。(食べられる系)
・研究者と聞いてもっと堅苦しいかと思ったけど実際はフレンドリーでホッとしました。
・研究について知らなかったことがたくさんあったり、面白い実験ができてとても楽しい時間でした。
・研究者のやっていることや仕事がよくわかりました!楽しかったです!!
・会社を立ち上げる時のことなどが聞けてとても興味深い話でした。とても憧れました。
・レアメタルについて知れて楽しかったです。
・色が変わったりしたのはおーとなったし多少楽しかった!自分は勉強が嫌いなのであまり理科が好きとは言えません…ただ、みんなの想定を超えるようなことをすると自然と興味が湧いてきます。
〔概要〕
日時:2022年12月15日(木) 8:45-15:45
会場:茨城県立勝田中等教育学校
対象:中学2年生 119名 (中高一貫)
テーマ:「原子の世界を覗いてみよう」
講師:西村知也(リバネス)、長縄弘親 氏(株式会社エマルションフローテクノロジーズ)
リバネスでは、答えのない課題に挑戦できるような出前実験教室を全国の小中高校でオンサイトまたはオンラインにて行っています。実験教室の実施をご希望の方は以下のお問い合わせ先にご連絡ください。
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株式会社リバネス 担当:八木・立花
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