リバネス、コケ素材を活用した金属吸着材を開発する株式会社ジャパンモスファクトリーを子会社化
株式会社リバネス(代表取締役:丸幸弘)は、株式会社ジャパンモスファクトリー(代表取締役:戸上純)の発行株式の半数以上を取得し、子会社としてリバネスグループに迎えたことをお知らせいたします。
ジャパンモスファクトリー社は2019年に井藤賀氏が創業した、コケ素材を活用した金属吸着材を開発する理研ベンチャーです。「苔で地球環境を守る」をビジョンに掲げ、コケが胞子から植物様の形に成長する間の形態である「原糸体」の大量培養技術をコア技術として、鉛等の有害金属や金などの貴金属吸着材料の開発を進めています。
世界では鉱山開発による有害金属を含む坑廃水による水質汚染が問題となっています。地下資源を得るための活動で荒廃した地球を癒すとともに、有害金属の流出を食い止め、持続可能な形で地下資源を手にいれる方法が必要とされています。
創業者である井藤賀氏は、リバネスが2014年より日本及び東南アジア6カ国で推進するアジア最大級のディープテックベンチャーエコシステム「テックプランター」の第5回アグリテックグランプリでの最優秀賞受賞を機に、ジャパンモスファクトリー社を設立しました。井藤賀氏が研究してきたコケの金属吸着能力や、コケ原糸体の大量培養技術を元に、金属吸着材やその装置の開発を進めています。2023年にはリバネスと、コケ原糸体の培養規模拡大を目指した共同研究を実施し、製品・サービス開発に向けた体制作りを共同で推進してきました。
コケはこれまでガーデニングやインテリアとして活用されてきましたが、金属吸着材など機能性素材としての活用例はほとんどありません。コケ原糸体の大量培養技術についても非常にユニークな技術であり、コケ素材の新たな活用方法を切り開く技術となります。
リバネスは科学技術の集合体「ディープテック」を形成し、世界のディープイシューの解決に取り組んでいます。ジャパンモスファクトリー社の技術は、世界の坑廃水や金属回収における課題を解決するための、重要な役割を果たします。
リバネスではジャパンモスファクトリー社と共にコケの可能性を追究し、世界のディープイシューの解決に取り組んでいきます。
なお、2024年7月より、株式会社ジャパンモスファクトリーの代表取締役には、リバネスの農林水産研究センター アクアガレージ所長の戸上純が就任しました。
【株式会社ジャパンモスファクトリー 代表取締役 略歴】
戸上 純(とがみ まこと)
熊本県熊本市生まれ。2016年熊本大学大学院 自然科学研究科修了(博士 学術)。江津湖の近くで小学生時代をすごし、ヘドロの堆積や外来生物侵入の課題を科学の力で解決したいという想いを抱く。大学では低環境負荷で高出力なバイオ燃料電池の基礎研究に取り組み、リバネス入社後は環境分野、特に水環境に軸足を置きながら全国のユニークな科学技術の発掘、社会実装に向けた伴走支援に従事している。
<企業概要>
社名:株式会社ジャパンモスファクトリー
所在地:東京都新宿区下宮比町1-4
代表:戸上純
連絡先:[email protected]
ウェブサイト:https://jmf.co.jp/