【実施報告】公文国際学園高等部にてPCR実験教室を実施しました

【実施報告】公文国際学園高等部にてPCR実験教室を実施しました

 株式会社リバネスは、公文国際学園中等部・高等部(神奈川県・横浜市)にて、2024年6月29日(土)に出前実験教室を実施しました。当日は、高校2年生と高校3年生の生徒23名が参加し、「PCRの歴史 ~変人科学者が編み出した20世紀最大の科学的進歩~」というタイトルのもと、DNA抽出、PCR、制限酵素処理、電気泳動という4つの実験を行いながらバイオロジーの基盤技術を学びました。

 PCRの反応時間中にはリバネス社員からの研究紹介や、実験教室終了後には、リバネス社員との交流会を行い、研究活動の様子や研究内容についてのディスカッションや、進路相談など、研究者ならではの視点で生徒と交流しました。

【実施概要】
日時:2024年6月29日(土)9:30-16:00
形式:対面実施
実施校:公文国際学園中等部・高等部(23名)
タイトル:PCRの歴史 ~変人科学者が編み出した20世紀最大の科学的進歩~
実施内容:DNA抽出、PCR、制限酵素処理、電気泳動

【当日の様子】
 実験教室は、PCRを開発したキャリー・マリスの話と、PCRが開発された当時の実験内容を追体験し、PCRが改良されていった流れを体験することをテーマにしました。初期のPCRがターゲットとした鎌状赤血球症に焦点を当て、仮想の鎌状赤血球症患者のDNAを他の貧血患者のDNAと見分けるための実験を行いました。DNA配列上のたった1文字の違いを見分けるための実験手法をその原理とともに実験を通じて体験する実験教室を行いました。

 まず、現在使われているような機械や酵素を使わないPCRを生徒たちが体験することで、シンプルな原理だが、煩雑な操作を要する当時のPCRを経験しました。そのうえで、サーマルサイクラー(PCRを行うための機械)や、Taqポリメラーゼ(耐熱性を持つPCRに必要な酵素)の開発経緯とともに、それらによって改良された現代のPCRを体験することでPCR法の開発の歴史を実験とともに体感しました。

 PCRの実験を体験するだけにとどまらず、PCR開発当時の課題だった鎌状赤血球症患者を見分けるための実験手法についても原理の解説とともに実験を行いました。遺伝子変異を有する患者のDNAが制限酵素によって切断できないという特徴に基づいて、3種類の遺伝子型を持つ患者のDNAサンプルに対して制限酵素を作用させました。制限酵素によってDNAが切断された患者とそうでなかった患者を電気泳動法で明らかにし、重度の鎌状赤血球症が疑われる患者を見分ける手法を体感しました。これらの一連の実験を通じて、普段の授業で習う様々な実験手法のつながりと、理論を体験を通じた理解に変えることができました。参加生徒は、マイクロピペットの操作や、複雑な研究手法に挑戦する中で研究体験を楽しみつつ、仮説を立てて実験を行う研究の考え方を習得しました。

 実験教室終了後には、参加生徒とリバネス社員の交流会の時間を設け、研究についてや進路についての議論を行いました。研究をすでに行っていたり、研究に興味がある生徒たちが多かった中で、結果が出ない恐怖や、一つの分野に固執しないといけないといった固定概念が払拭され、生徒たちが研究を行いたいと感じたり、もっと身近なものであると感じたといった意識の変化が見られました。

【参加した生徒の感想】
「初めての実験器具に触れて良い経験になりました。」
「PCR法や電気泳動など学校の授業でやったことを実際に実験として使えてとてもよかったです。研究者の方々の話もとても面白く新しく学べたことが多かったです。」
「何か自分の興味があるものと向き合ってみて、それについて思考や研究を行うならば仮説立てて、既にあるものでもより良くするにはどうするかを考えてみようと思った。」
「自分が興味のある分野は他の分野にも繋がることがあると思うので色々な分野や視点から興味のあることを調べてみたいと思いました。」
「自分の気になる分野の研究を早く大学で進めたいと思った」

リバネスでは、最先端の科学やものづくりのアイデアを用いた実験教室を様々な学校や学年を対象に実施しております。出張訪問型の他、オンラインを活用した企画開発も積極的に実施をしています。ご興味をお持ちの方は下記お問い合わせ先までご連絡ください。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社リバネス
担当: 戦略開発事業部 田濤
教育開発事業部 吉川
TEL:03-5227-4198 E-mail:[email protected]