【実施報告】カーボンリサイクルの課題解決を進めるプロジェクトを創出する、令和6年度Hiroshima Carbon Circular Forum 開催
株式会社リバネスは、広島県より委託を受けて進める「令和6年度広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援」の一環として、2024年11月21日(木)に「Hiroshima Carbon Circular Forum」を開催しました。当日は、令和4・5・6年度の広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援補助金の採択者と県内企業とのパネルディスカッション、採択者による発表、ポスター交流会を実施しました。県内外から大学・研究機関、事業会社、自治体が集まり、オンライン視聴者も含めると総勢143名が参加しました。
Hiroshima Carbon Circular Forumは、分野や業種の違いにとらわれずに、互いの持っている知識や技術を融合させ、カーボンリサイクルに関するプロジェクトを創出していくことを目的に実施しました。パネルディスカッションでは、このプロジェクトから具体的な実証実験を始めている、もしくは始めようとしている県内企業、スタートアップが登壇しました。さらに、令和4・5・6年度の広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援補助金に採択された約30チームによって、この補助金を活用した研究内容についてピッチが行われました。最後に、ポスター交流会では、カーボンリサイクルに関わる新しいプロジェクト創出に向けて、参加者同士の活発な議論が行われ、盛会のうちに終了しました。
<開催概要>
【日時】2024年11月21日(木)13:00-17:00
【場所】TKPガーデンシティ広島駅前大橋 ホール3A/カンファレンスルーム3B
【主催】広島県 【運営】株式会社リバネス
【参加形態】現地交流&オンライン配信(パネルディスカッション〜ピッチまで)
【タイムテーブル】
13:00 開会挨拶・趣旨説明
13:10 パネルディスカッション 広島県からカーボンリサイクルへの挑戦
14:05 令和5年度採択者成果発表
15:40 令和6年度新規採択者ピッチ
16:10 令和4年度採択者成果発表
16:20 ポスター・交流会
17:00 閉会
パネルディスカッション 広島県からカーボンリサイクルへの挑戦
◆登壇者
・株式会社ガルデリア(令和4年度採択者) 取締役 福田 雅和 氏
・三井金属株式会社(ガルデリア連携機関) 髙橋 誠一郎 氏
・株式会社ZEエナジー(令和6年度採択者) 代表取締役社長 松下 康平 氏
・ダイユウ技研土木株式会社(ZEエナジー連携機関) 執行役員 小城戸 秀明 氏
・モデレーター:株式会社リバネス 戦略開発事業部 / 国家政策研究センター センター長 大坂 吉伸
発表者一覧(一部ポスター発表のみの採択者もございます)
<令和5年度採択者>
区分 | 採択者 | 研究内容 | |
---|---|---|---|
区分1(研究単独型) | 広島大学 | 長澤 寛規 | 大気圧プラズマを用いたシリカ前駆体のin-situ重合による高CO2選択透過膜の開発 |
広島大学 | 藤江 誠 | 微細藻類ナンノクロロプシスを用いたカーボンリサイクルによる脂質生産技術の構築 | |
広島大学 | 中井 智司 | 自動車工場から廃棄される未利用窒素、リン資源の藻類培養に利用可能な形態への変換と藻類バイオマスの生産ポテンシャルの評価 | |
呉工業高等専門学校 | 及川 栄作 | 新規の水素生成電極によるCO2固定菌と発電菌を応用した減肥料水耕栽培技術の開発 | |
区分2(研究者提案型) | 東北大学大学院 | 佐野大輔 | 微生物燃料電池を用いたネットゼロ・カーボンエミッション下水処理の実現 |
石川県立大学 | 馬場保徳 | 自立運転可能なルーメンハイブリッド型メタン発酵システムによる植物バイオマスからのエネルギー生産 〜発酵熱を利用したバイオガスからのCO2分離回収技術の開発〜 | |
学校法人村崎学園 徳島文理大学 | 梶山博司 | 微細藻類の2段階高速培養装置の実用化研究 | |
区分3(県内企業課題解決型) | 神戸学院大学 | 稲垣冬彦 | 広島県内CO2循環を目指した、CO2選択的回収剤による溶鉱炉排ガス中CO2の効率的回収 |
出光興産株式会社 | 藤原尚樹 | コンクリートスラッジを用いた炭酸塩化反応の高度化 | |
株式会社ノベルジェン | 小倉淳 | マガキ-微細藻類複合養殖システムの開発 | |
プラチナバイオ株式会社 | 石井敦浩 | 微細藻類ナンノクロロプシスの屋外培養を見据えたラボスケールでの培養条件の検討 | |
株式会社TOWING | 木村俊介 | 農業分野の脱炭素と減化学肥料を実現する高機能バイオ炭の実装 | |
アンヴァール株式会社 | 櫻井重利 | CO2回収とCO2による農作物生産量向上 | |
株式会社Eプラス | 廣田武次 | DAC法でCO2を吸収・固定した鉱物のコンクリートへの適用に関わる有効性の検証 |
<令和6年度採択者>
区分 | 採択者 | 研究内容 | |
区分1 (研究単独型) |
広島大学 | 斉間 等 | 中小排出源を対象とした安全かつコンパクトな二酸化炭素キャリアの開発 |
呉工業高等専門学校 | 木村 善一郎 | 都市下水を起点とするサーキュラーバイオエコノミーの最重要部品となる電気アセトジェンの高速育種法確立 | |
広島大学 | 郭 方芹 | 再生可能エネルギー由来の変動的電力供給を想定したアルカリ水電解水素製造における電極劣化機構の解明 | |
広島大学 | 冨永 淳 | 光合成のダウンレギュレーションを検知する技術の開発 | |
区分2 (研究者提案型) |
横浜国立大学 | 本倉 健 | 廃棄太陽光パネル処理工程で得られるシリコン廃棄物を用いるCO2資源化反応 |
東京学芸大学 | 佐藤 公法 | 賦形化によりナノ分散された粘土鉱物による新規二酸化炭素固体吸収部材の開発とメタネーションによる利活用 | |
奈良先端科学技術大学 | 梅田 正明 | 樹幹バイオマスの飛躍的増産をもたらす新規技術の開発 | |
株式会社ウルバ | 難波 卓司 | 爆発的に成長する海藻により二酸化炭素を固定し、バイオマス燃料を生産する | |
名城大学 | 土屋 文 | ラジカル含有リチウム複合酸化物セラミックスの常温水分解を利用した二酸化炭素からメタンへの転換技術開発 | |
呉工業高等専門学校 | 及川 栄作 | 非加熱的に水から水素と熱生成法に使用する耐塩・耐アルカリ性装置の開発 | |
名城大学 | 神藤 定生 | シアノバクテリアによる CO2 を資源としたバイオエチレン生産事業化技術の開発 | |
福山大学 | 都祭 弘幸 | カキ殻を用いた環境配慮型コンクリートの開発とその CO2 固定化能力の評価 | |
区分3 (県内企業課題解決型) |
株式会社ZEエナジー | 松下 康平 | 牡蠣筏廃棄物を原料とした鋳鉄製造向けバイオマスコークスの開発 |
広島大学 | 斉間 等 | 実燃焼排ガスを用いた二酸化炭素のアンモニアメタネーションによるe-メタン合成の実証 | |
弓削商船高等専門学校 | 佐久間 一行 | 大気圧プラズマによる焼却炉排気ガスの有資源化研究 | |
合同会社アークス | 丹賀 直美 | 瀬戸内の環境に適応したカーボンリサイクル型海藻養殖技術の開発 |
<令和4年度採択者(発表者のみ)>
区分 | 採択者 | 研究内容 | |
区分1 (研究単独型) |
広島大学 客員教授 太田 啓之 (株式会社ファイトリピッド・テクノロジーズ) |
油脂高生産藻ナンノクロロプシスによる有用脂質生産 | |
区分2 (研究者提案型) |
株式会社ガルデリア | 工場等廃棄物を利用した藻類によるCO₂固定培養とその活用 | |
区分3 (県内企業課題解決型) |
大成建設株式会社 | 製紙の行程で生じる炭酸カルシウムの活用 |
本件に関するお問合せ
株式会社リバネス(吉川・石尾・環野)
電話:03-5227-4198
メール:[email protected]