2025年 新年のご挨拶-株式会社リバネス 代表取締役社長CCO 井上浄
新春を迎え、皆さまに謹んでご挨拶を申し上げます。2025年も、株式会社リバネスをどうぞよろしくお願いいたします。
2024年の振り返り
まずは、2024年のサイエンス・テクノロジーの動向を振り返ってみます。日本初の無人探査機による月面着陸の成功に始まり、世界に目を移すとゲノム編集技術(CRISPR)を用いた遺伝子治療の承認と医療現場への導入が進みました。さらに、生成AIの飛躍的な進歩や大規模言語モデルによる新薬候補の開発、臨床試験の開始といったニュースもありました。次世代燃料として期待されるアンモニアを用いた商用船の運行も世界初の試みとして行われ、数年前に立ち上がった研究プロジェクトが産官学連携や政策の後押しを受け、いよいよ“実装・普及フェーズ”に本格的に移行してきた一年だったと感じています。
こうした世界的な動きの中で、リバネスは2024年のテーマとして「実験的プロジェクトを増やす」を掲げ、“小さく、細かく、多く、できるだけ早く試してみる”という姿勢を貫いてまいりました。また研究センターを中心に、年間10件以上の学会発表や講演も行い、科学技術の発展と地球貢献を目指すビジョンに向けて、実験的プロジェクトを起点とした社会実装と研究成果の創出という両輪を着実に回してきました。
TECH PLANTERの進化とライフテック領域の新設
さらに、未解決の課題を科学技術の集合体で解決するプラットフォーム「TECH PLANTER」では、ロゴの刷新とともに事業創出を加速する仕組みへと進化を遂げました。その一環として新設したのが「ライフテック領域」です。これは「生きる × テクノロジーによって、豊かな生命・人生・生活を実現する」ことを目指す取り組みです。サイエンスやテクノロジーを積極的に取り込み、新しい領域を切り拓くことで、研究開発から社会実装に至るまでのスピードをさらに高めていきたいと考えています。エントリーチームやパートナー企業の皆さまと意見交換を進める中で、大きな手応えを感じているところです。
2025年のリバネスが目指す姿
プロジェクトの種は自然に生まれるものではありません。大きなエネルギーを注ぎ、小さな結晶として実験と対話を重ねた先にこそ生まれ出るものです。まさにこのプロセスがリバネスの原点であり、私たちが「知識製造業」と呼ぶ活動の真髄です。2025年は、研究者集団であるリバネスが自ら研究テーマを創出し、知識の源泉として新たな発見や技術を世の中に提示してまいります。そこで生み出される知識が、これまでにないプロジェクトを萌芽させ、世界の課題を解決していく未来へとつながっていくと確信しています。
その中心となり取り組み「超異分野学会」では、リバネスが取り組む多彩な研究発表をはじめ、世代や研究領域、国境を越えた発表が数多く行われます。「超える。つながる。世界を変える。」という合言葉のもと、来場者の皆さまとともに新しいプロジェクトの種を生み、育む場としたいと考えています。2025年2月には、インドネシア、タイ、ベトナム、3月には東京で開催しますのでどうぞご参加ください。
最後に
2002年の創業時、私たちは「世界一面白い研究所をつくる」という目標を掲げました。以来、変化を恐れず挑戦を繰り返し、自分たち自身も“超える”姿勢を大切にしてまいりました。2025年も、さらに進化したリバネスが皆さまの期待を超える研究開発と知識製造を実現し、社会実装に向けた新たなステージを切り拓いていく所存です。
本年も株式会社リバネスへの変わらぬご支援・ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年1月15日
株式会社リバネス
代表取締役社長CCO 井上浄