【教育応援企業活動レポート 株式会社ロジム】精一杯チャレンジできる場所を作ること、それが生徒の成長を促進する①
2020年を目標にサイエンスとダイバーシティをキーワードに設立される新しい学校International School of Science(ISS)。そのコンセプトを体現する7日間のサマースクールが8月3日~8月9日まで、横須賀リサーチパークで開催された。参加者は合計25名。フィリピンから9名、シンガポールから3名、インドネシアから1名、日本からは12名の高校1、2年生と、半数以上が留学生だ。午前と午後のアカデミックセッションでは、有名講師陣から学ぶ最先端のサイエンスとテクノロジー、そしてナイトセッションは、今後国際社会で成功するために必要になるであろうスキルや視野を身に付ける3部構成。国内・海外を問わず講師陣を招き、授業は全て英語で行われた。
私がスクールを見学したのは、最終日である8月9日。この日は、生徒のチームプレゼンテーションが行われた日だ。お題は、2050年までに解決しなくてはいけない課題を一つ取り上げ、解決策を提案すること。そして、その解決策は、サイエンスに基づいてなくてはいけない。プレゼン練習をする会場へ入ると、生徒が発表の練習をしていた。チームはいずれも多国籍。緊張する様子も少し見られたが、最終日ということもあり、みな随分打ち解けているようで、練習の合間は、高校生らしく、楽しそうに雑談をしていた。
参加者全員が刺激し合うダイナミクス
ISSの発起人であり、代表を務める野村竜一さんに、スクールが始まってからの生徒の変化について聞いた。「サマースクールの最初の数日間、アジアの留学生に比べ、日本の高校生はシャイで授業中の発言もあまりなく、ディスカッションをリードすることが少なかったです。けれど、後半には“自身の殻を破る、ブレイクスルー“が起き、発言する機会がだんだんと多くなってきたのです」と野村さん。授業中も、積極的に発言するようになり、自分のチーム以外のメンバーにも声をかけたり助け合ったりするリーダーシップも見受けられた。
スクールで学ぶ授業のテーマは、「ビックバン」「生命誕生」「産業革命」「宇宙旅行」など、どれも高度なトピックばかりだ。背景となる知識を持っていないと、ついていけないのでは、と聞くと、「どの授業でもバックグランドの知識をどれだけ持っているかに限らず、全員が内容を理解し、ディスカッションできるような授業作りをお願いしました。。講師陣との間で何か月も前から打ち合わせを繰りかえし、授業の中身を作ってもらいました。」とのこと。
また、野村さんはこの期間中、生徒と先生が一緒に良い授業を作り出していく過程を目の当たりにした。「アジアのトップの学生は、授業中に発言することにとても積極的です。生徒によっては、ただ単に自分がわからないことを質問するだけでなく、自分は理解していても、重要だ、面白い、と思ったコンセプトについて他の生徒に代わって質問をし、その投げかけに対して先生が応える、という光景も見られました。」と語った。
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