未来を創る子どもを育てたい〜2020年 新しい学校を 株式会社ロジム 野村竜一さん〜

未来を創る子どもを育てたい〜2020年 新しい学校を 株式会社ロジム 野村竜一さん〜

『学習塾ロジム』は論理的思考力を養成し、受験で終わらない一生ものの「学ぶ姿勢」を身につける塾だ。その共同代表である野村さんは、新しい学校『International School of Science(ISS)』設立プロジェクトを立ち上げた。ISSはサイエンスを軸とし、国際バカロレアの認定校とすることを見据えている。なぜISSを創るという決断に至ったのか、野村さんの思いを伺った。

未来を創る子どもを育てたい

野村さんは、放送局、通信会社、コンサルティング会社を経て学習塾を立ち上げた異色の経歴を持っている。その経験の中で、これからの社会で活躍できる人は「新しいコト」を生み出せる人だと強く思うようになった。そのような人材を輩出できる仕組みを生み出したいという思いが、ロジムの立ち上げにつながった。実際にロジムでは10年間子どもたちと触れ、社会でも通用する「学ぶ姿勢」を届けることができた。しかしその一方で、子どもが発する意見やアイデアは異口同音であることが多く、そして優秀である子どもほどその傾向があることに気がつく。「子どもが画一化され、目立つのを嫌がっているようにすら感じている」と野村さんは語る。「どうしたら他人と違うことを言えるようになるだろうか?」この新たな課題に挑むため、塾よりも長い時間をかけて子どもたちと触れ合える「学校」を創るチャレンジを始めたのだ。

ISSは2つの特徴で「個性」を伸ばす

ISSが目指すのは、新しいコトを生み出せる人材を輩出することだ。そのために創ろうとしている特徴が2つある。そのひとつは多様性だ。野村さんは「他人と違うこと」を堂々と言える人材を育成したいと言う。そのためには、自分の意見をもつことが大事であり、意見に至った背景を見つめることが大切である。自分の「考え方」を伝え、他人との価値観の違いを認識する。ISSでは、それをひたすら日常的に行える環境作りを目指している。そのため、多くの留学生を受け入れ、国内からも様々な背景をもった子どもを集める計画だ。「ごちゃ混ぜの環境こそが、新しいコトを生み出す人材を育てる場所だ」と野村さんは語る。

もうひとつの特徴はサイエンス。サイエンスの世界では個性が活躍し、新たな発見・発明につながる。サイエンスに触れることを当たり前とすることで、生徒は応用を考え、未来をデザインし、実現する経験を得られる。「この2つの特徴を備えた学校を通じて、世界で戦える人材を育てたい」と野村さんは言う。

ISS設立に向け、サマースクールを開校予定

ISS設立に先立ち、今夏、高校生を対象としたサマースクールを開校する。多様性とサイエンスを軸とするISSのプログラムを現在の高校生にも提供したいという思いからだ。大学や研究機関の教授を講師として招き、それぞれの研究者が追究している分野のサイエンスについて、海外の高校生とともにディスカッションを重ねる。そこには、人との価値観の違いを知ることで、自らを知ることができるプログラムを準備している。人を知り、自分を知り、自分の考えを堂々と伝えることから「新しいコト」は生まれる。「人と違うことがかっこいいと思う」という人にぜひ参加してほしいと野村さんは締めくくった。

ISS設立プロジェクトウェブサイト▲

http://science-school.org/

SUMMER SCHOOL 2015

「人はどこから来てどこへ行くのか」ビッグバン、生命誕生、そしてタイムマシンまでサイエンス/数学/倫理で読み解く過去・現在・未来

ウェブサイト▲

http://science-school.org/summer/