「理科の面白さ」「実験の楽しさ」を伝えよう 全日本空輸株式会
■教育CSR活動に対するきっかけと想い
小学生に自分達の業務の内容を通じて「理科の面白さ」「実験の楽しさ」を伝えられたらという想いから今回のプロジェクトの参加を決定しました。児童全員に「理科の面白さ」「実験の楽しさ」を伝えようという気持ちを常に持って講師を担当しました。
■教育CSR活動事例
社会人講師活用型教育支援プロジェクト、小学生向け実験授業を千葉県内にて実施
■チーム構成
人数:5名(1教室 講師1名とアシスタントスタッフ3−4名が出張)
スタッフ所属部署:ステーションコントロール部(入社2年目2名、5−6年目2名、37年目1名)
■授業概要
単元:天気の変化
対象学年:小学5年生
タイトル:あんしんフライト 〜天気と飛行機の関係〜
授業の概要と流れ:みんなを空の旅に連れて行ってくれる飛行機。あんなに大きな乗り物がどうやって飛んでいるんでしょう?実は、お天気と深い関わりがあるのです。天気図を見ながらパイロットに航路をアドバイスするお仕事をしているスタッフと一緒に、飛行機の模型を使って離陸から着陸まで、飛行機がどうやってお天気を利用して飛んでいるのか見ていきます。
〔導 入〕天気と飛行機の関係を見てみよう
〔実験1〕離陸するときはどうやって浮くのかな?
〔実験2〕上空の飛行機を見てみよう
〔実験3〕目的地に行くためにどうする?
〔実験4〕台風のときはどうしてるのだろう?
〔まとめ〕着陸・あんしんフライトのために
■教材開発のこだわり
〔1〕飛行機はどうやって浮いているのかな?
あんなに重い飛行機がどうやって浮いているのだろう?風と飛行機の形に大きな関係があります。飛行機の羽の模型を使って飛行機が浮く仕組みを調べました。
〈手 順〉
①3種類の飛行機の羽の模型を用意。
②扇風機でいろいろな方向から風をあててどの形の模型が一番浮くか見る。
〔2〕目的地に向かうためにどうする?
飛行機は向かい風を利用していることが分かったけれど、ずっと向かい風の方向に飛んで行ったら目的地に到着できません。そのため飛行機は羽にある突起(エルロン)やエンジンを調整して向きを変えています。どうやったら風向きが変わっても行きたい方向に進めるでしょうか?班の中で紙の飛行機摸型と扇風機を使って実験しました。
〈手 順〉
①飛行機摸型の向かいから風を当てる。
②風向きをずらし、エルロンを調整して風向きに左右されずまっすぐ進む方向を探る。
■特別講師の声(本業での活動にプラスとなった事例)
仕事中も外の飛行機を見てどうやったら飛行機模型を浮かせることができるか考えるくらい準備の段階で予備実験を重ね、自分たち自身も飛行機の翼の仕組みへの理解がより深まりました。機会があれば職場に児童を呼んで自分たちの働いている姿を見せてあげたいです。
児童の「もっと実験したい」「もっと発見したい」という熱意に驚かされました。機会があれば今後も児童たちに教えていきたいです。
飛行機の知識が少ない児童に分かりやすい言葉で飛行機の飛ぶしくみを教える難しさが分かりました。
実験の作成・準備を通して、飛行機の飛ぶしくみを再認識させられました。授業の中で実験に驚き、喜ぶ児童たちを見て、更に頑張ろうという気持ちになりました。
参加した若手にとって、試行錯誤して実験を製作して、児童にどうやれば伝わるかを考えたことは今後の財産となるでしょう。
■児童の声
飛行機に乗っている時に不思議だと思ったことが分かったからうれしい。
今まで飛行機に乗るときに事故にあわないか不安だったけど、こんな仕事をしている人がいるんだ、と思いました。
実際に実験してみて、飛行機と風の関係がよくわかりました。向かい風を利用したり、エルロンを使ったりする飛行機ってすごいと思います。
■会社概要
住所:東京都港区東新橋一丁目5番2号 汐留シティセンター
URL:http://www.ana.co.jp/cp/index.html
事業内容:定期航空運送事業・不定期航空運送事業・航空使用事業、その他附帯事業
社員数:12,900人 設立年月日:1952年12月27日
出典:教育CSR白書2010 (本記事は、2010年11月のものです。)