イノベーションを起こす人材育成を目指して インテル株式会社
■教育CSR活動に対するきっかけと想い
インテルは1968年の創立当時からイノベーションを起こすことができる人材育成を目指して教育支援に取り組んで参りました。主な活動として、世界60カ国700万人の受講者を数える教員研修(IntelⓇ Teach プログラム)の提供や、毎年50カ国以上から1500人を超す高校生が集い自由科学研究の成果を披露するコンテスト(Intel ISEF)、大学で活用できるテクノロジー・カリキュラムの提供等の高等教育プログラムがあります。
■教育CSR活動事例
早期工学人材育成事業、高校生向け実験授業を千葉県内にて実施
■チーム構成
人数:5名(1教室 講師2名とアシスタントスタッフ3名が出張)
所属部署:取締役副社長、事業開発本部、技術本部、製造技術本部等
■授業概要
単元:情報A 発展
対象学年:高校生
タイトル:ITの軌跡〜パソコンの中身をのぞいてみよう〜!
授業の概要と流れ:パソコンの頭脳にあたる、CPUの性能はめざましい進歩を遂げています。それは、CPUの電子回路の元になる、トランジスターを集積する技術が進歩したため。CPU開発当初のトランジスターの数は、2300個であったのに対し、最新のものでは20億個以上のトランジスターを集積できるほどになりました。パソコンを分解しながら、そのしくみについて学んでいくとともに、技術の進歩を実感し、未来の技術についてアイデアを出し合います。
〔導 入〕パソコンって何だろう?
〔実 験〕パソコンの内部を覗いてみよう。
〔講 義〕CPU・メモリー・HDDについて知ろう。
〔講 義〕科学技術がどのように発展してきたかを考えよう。
〔ディスカッション〕今後社会がどうなっていくか、どうなってほしいか、それを実現するために必要なことを議論しよう。
〔まとめ・発展〕科学技術の発展の裏にあるエンジニアの活躍を知ろう。
■教材開発のこだわり
〔1〕普段はなかなか体験できないパソコンの分解を技術者の指導のもとに行い、「パソコンの中のCPU」について理解を促しました。
パソコンは生活に溶け込んではいるものの、どのような部品がどのような役割を持っているか、普段はあまり意識されません。ワークシートを活用し、パソコンを分解して一つ一つ部品の形と役割を確認しながら、もっとも重要な「頭脳」としての役割をもつCPUの機能に迫りました。
〔2〕未来の技術を考えるワークを通し、技術の発展と社会の変化を想像してもらいました。
CPUの小型化など、技術の発展を通して私たちのライフスタイルも大きく変化してきました。その変化の速度を振り返るとともに、これから技術の進歩によってどのようなことができるようになるか、アイデアを出し合いました。
■特別講師の声(本業での活動にプラスとなった事例)
企業としては、企業理念を生徒に伝えることで、より広くCSR活動ができたと思います。企業の人材育成面からも、準備、授業を通して新しい発見や学びがたくさんありました。
テクノロジー・イノベーションが社会において重要であるとの私たちの思いを直接伝えることができた有意義な授業でした。また若手社員のキャリア・ディベロプメントへの大きな効果も実感しました。
製品がどのような印象を持たれているかを知ることができ、その機能や魅力を生徒さんに直接伝えられ、貴重な体験をさせて頂きました。
ある生徒が心配そうな顔で「部品を触っていい?」。好奇心を促すだけではなく、パソコンとの付き合い方まで含めて伝えていけたらもっと良いことになると思いました。
■生徒の声
パソコンは今まで、当たり前のように使用してきたけれど、パソコンの中身にはものすごい技術が含まれていることを知った。
PCに関して、もっと知りたいと思った。プログラミングに興味があったが、部品に関する興味もわいた。
自分は実際情報系に興味はなかったんですが、今回の授業で大変興味を持ちました。今後の自分の進路に少し影響があるかもしれません。
■会社情報
住所:東京都千代田区丸の内3−1−1 国際ビル5階
URL:http://www.intel.co.jp/
事業内容:半導体を通じて、人々の仕事と生活をさらに豊かにする先進的な技術と製品を開発、提供。
社員数:約539名(2009年12月末現在)
設立年月日:1976年4月28日
出典:教育CSR白書2010 (本記事は、2010年11月時点のものです)