佐倉アカデミア 株式会社常磐植物化学研究所講座「植物の成分を精製しよう!」
[概要]
日時:平成25年7月16日
場所:株式会社常磐植物化学研究所
タイトル:植物の成分を精製しよう!
内容:薄層クロマトグラフィーの体験を通して、混合液から特定の成分を精製する原理・技術を学ぶ。
対象:高校1年生
参加者:千葉県立佐倉高等学校の 1 年生 20 名
7月16日に千葉県立佐倉高等学校の生徒1 年生 20 名を対象に、株式会社常磐植物化学研究所にて「植物の成分を精製しよう!」と題した実験実習を行い、その後本社工場施設及びハーブ園の見学を行いました。
佐倉高校は大学や研究機関、企業との連携により、研究者による講演会や先端技術に触れる機会を設けることで生徒の科学への関心を高め、国際的な人材の育成を目指しています。常磐植物化学研究所は社会貢献活動の一環として実験教室を毎年行っており、これにより科学を身近に感じていただき、次世代を担う人材の育成を目指しています。
実験実習は冒頭に講義を行ない、数千を超える成分を持つ植物からどのようにして目的の成分を取り出すかという原理を学んだ後、実際の方法を体験する内容となっています。実験実習後に施設見学を行うことで、科学が実際に利用されている生産現場を知っていただきました。
実験実習の内容は、甘草(カンゾウ)エキスから甘味剤として使用されているグリチルリチン酸の分離を薄層クロマトグラフィーで行い、紫外線ランプで分離されていることを確認するというもので、分離の原理と技法について学べるものになっています。
1年生でまだ本格的に科学の勉強をはじめて間もない皆さんでしたが、原理の部分に強く関心を持ち、分離に使用する溶媒は何か?何故混合溶媒を用いるのか?など具体的な質問が多くありました。これから化学の勉強を進める中で、今回の実験内容と勉強内容が結びつき、より一層科学への関心が強まってもらえたら幸いです。
(実習風景)
皆さんきれいに目的成分の分離できていました。実験後、原理に関する質問がありました。関心を持っていただけてうれしく思いました。
(施設見学)
実験実習で学んだ原理は、産業に利用されています。実験は数十 mL の溶液で行いましたが、工場では数百 L のスケールで溶液を使用して作業が行われています。
(ハーブ園見学)
実験と工場見学に加えて、ハーブ園の見学を行いました。日頃なかなか目にすることの出来ない様々なハーブについて見るだけでなく、バジルやレモングラスなど実際に触れてその感触、香りなどを体験しました。良質なハーブや熟して食べごろのブルーベリーの見分け方について、ハーブ園を管理していただいている方から教えていただきました。
また、ブルーベリー、ウコン、朝鮮人参など、ハーブ園で育てられている植物についてクイズを出題し、ハーブ園をゆっくりと散策しながら、答えを探してもらいました。クイズは4つのグループに分かれてのチーム戦でしたが、皆さん優秀で全問正解。クイズの決着はつきませんでしたが、ハーブ園散策の中で、日頃飲んでいるハーブティーがどのような植物のどこの部分なのかを実際に見ていただき、植物に対しても関心を持っていただけました。
(佐倉高校の先生からのコメント) 本校のSSH指定にあたり、御社に開催していただきました講座の実績は、採択に向けての大きな要素の一つになっております。 本校のSSHの基本方針が「リアルサイエンス」であり、「見て・触れて・感じて」という生徒の実体験を重視しています。 その点から、考えますと御社の講座は、本校SSHの基本方針に沿ったものであり、大変力になったと考えております。