理系の海外留学:大学院2年目 ティーチングのプレッシャー

理系の海外留学:大学院2年目 ティーチングのプレッシャー

前の記事→ 理系の海外留学:大学院1年目 日常会話についていけないんですが。。。 

アメリカの大学院の理工系の学科に入学すると、学費免除で奨学金貰えるんです。
大事なのでもう一度いいます。
アメリカの大学院では、理工系はお金をもらって研究をします(全部じゃないがほとんどの場合)。
もちろん奨学金に返済の義務はありません。
ただ、研究成果を出す義務やティーチングの義務があるのです。

英語の授業を3時間する

大学院の1年目、または2年目に、少なくとも1学期はティーチングをする義務が生じます。
アメリカの大学院では教えることをトレーニングの一プロセスと考えているようです。

よくあるパターンが500人以上に対して開講される必修な基礎コースのTA(ティーチングアシスタント)。
メインの授業を講堂で教授が行い、それとは別に学生たちは週に一回3時間の実習の時間を持ちます。
これをTAが担当するわけです。
僕の場合は24人のクラスを2つ担当していました。
3時間の実習時間内にその週の講義のまとめ、質問対応、クイズ、学生実習などかなり多くの工程を終わらせなければなりません。

もちろん、これ全部英語でやります。
最初の授業はそれこそびびりまくって、ジョークも含めて殆ど言うことを丸暗記して望んだことはよい想い出。

教えることで学ぶ

アメリカの大学の授業は厳しいです。
例えば基礎生物学のコースでは1学期の間に、生態学、遺伝学、分子生物学、発生学、細胞生物学など一通り学生は学びます。
毎週小テストがあり、レポートがあり、学生は大忙し。
忙しく時には気の立っている学生に対して、TAは何を聞かれても答えられる状態に仕上げておかなければなりません。
アメリカでは学校の成績は進学に大きく影響するので、冗談ではなく1点を巡って噛み付いてくる学生も少なくありません。
彼ら/彼女らに対して、時には細部までロジカルに説明をする必要があるのです。

そんな経験を通して、自分の専門分野外だと基礎的なことを説明できないことに気づくこともありました。
徹夜で講義のポイントを整理することもあったなぁ(遠い目)。
思うにこのティーチングという機会は、本格的に研究を行う前に、分野の全体感をつかむというトレーニングだったのかもしれません。
様々な国から人が集まるアメリカの高等教育の凄さはこんな仕組みにあるのかもしれません。